果汁の入った水筒 5

「良かったぁ、無事に戻れたね」

 

「スターガーディアンもこれで迷宮殺しを名乗れるね」

 

「今度は全員で迷宮核と戦えるからもっと安心できるよね」

 

 えっまじで!?俺さ素っ裸で股関だけ隠してるのにツッコミないの?

 

「もぉ早く服着なよ」

 

「あぁそうする」

 

 装備を整えると帰りは迷宮が死んでるからトラップはないためすぐに、出口にたどり着く。

 

 そこには血深泥で死にかけのバルバがいる。バルバはまともだよな。

 

「ほら、これ高いんだぞ」

 

 回復薬の特級を渡す。バルバは感謝の表情になり飲むとケガはみるみる治る。

 

「バルバも良くなったな?よし、俺は迷宮殺しを達成したら行きたい場所があるんだ。少しそこに行かないか?」

 

「どこ?」

 

「俺の育った孤児院だ。報告とかやりたい事があるんだ」

 

「アークの故郷?いいんじゃない行きましょ」

 

「ありがとう」

 

 バルバは俺が夢を叶えようとしている事に気が付いたのだろう。1度バルバにだけ話した事がある。背中で語るバルバは真上を向いている。きっと喜びであっても涙を見せないように。

 

 まだ叶ってないから早いぞバルバ。

 

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 やって来た孤児院に懐かしさよりも緊張が勝る。少しでも勇気を貰おうとバルバを見ると完璧なる無表情ポーカーフェイス。

 

 そうだな俺の問題だ。顔を知ってる子供を見つけて声をかける。

 

「ミリアはいるか?」

 

「やっぱりアーク来た!いつもどおり早起きしてお茶準備してる」

 

「なんで俺が帰る日が分かるんだよ?」

 

「知らねー後でアーク遊んでよ」

 

「いいぜ、約束な」

 

「ヤッター!!約束みんなに言ってくる!!」

 

 勝手知ったる孤児院なのでミリアの居るであろう応接室に向かい気にせず入る。

 

 孤児院なので手作り感や、素人の修繕が重ねられた家具が置かれており、お金は無いが頑張って身綺麗にしてる女の子がいる。

 

「ミリア帰ったぞ」

 

「おかえりアーク、ん?今日は大人数なの?」

 

「理由はあるんだが・・・聞いてくれ、俺は何もしてないけど俺達スターガーディアンは迷宮殺しになった」

 

「自慢の仲間たちだ。ずっと一緒に居たい。でも俺はミリアと人生を歩みたいんだ。ミリア俺と結婚してくれ!!」

 

「やっと言ってくれて嬉しい!喜んで!!よろしくねアーク」

 

「「「アークにーちゃん遊ぼうよー!!」」」

 

「フフッ私のアークは人気ね。ハンターはやめないのでしょ?」

 

「もちろん」

 

「ならアークの仲間とも仲良く成りたいし、アークは子供達と遊んであげてよ」

 

「悪いな、ハンターの体力見せつけてくる」

 

 アークが出ていくとミリアはニタァと笑う。

 

「みんな愛人でいいなら仲良くしてあげますよ」

 

 バルバは女の戦いの恐怖のあまり部屋の隅で震える。

 

 ミリアは3人がアークに惚れている事を女の感で見抜き、間違いが無いように3人を叩き潰し諦めさせるつもりなのだ。

 

 1番露出が多くて明らかにアークを誘惑しているユーリをまず見る。

 

「愛人?私の思いを舐めないでよ。あの甘いマスクと優しさの中にある、この格好を見る時の蔑む目は最高過ぎる。私はそう○○隷に成りたいのよ」

 

 何なんこいつとドン引きしたミリアは、露出の少ないドレスアーマーのモニカをお前はまともだよな、という思いものせて視線を送る。

 

「私?私はね、アークに鉄の○○○で○○を捧げたり、アークの○○○を鉄にして○○○○たり、アークの手を○○にして私の○○○に○○○んだり、アークに触手を○○して私で○○○だりされる、アークの玩具になりたいの」

 

 ミリアは言葉は理解出来るがなぜそうなるのか、何故されたいのか理解不能、ドン引きも大ドン引きする。お前もか?いや1人くらいまともだよなとアンジェに諦めと期待の入り混じった視線を向ける。

 

「私はこいつらとは違うわ。アークの優しさに包まれて好きにそう自由に好き放題に何もかもグチャグチャになるまでアークの存在感ある○○○で○○○れる○ッ○○○○に成りたいのよ」

 

 お前も変わらんとドン引きするミリア。まともな奴かとバルバに確認をとる。

 

「ノーマルな俺を巻き込まないでくれ。アークを助けるのは俺には無理だ。すまん」

 

「○○隷とか」「玩具とか」「○ッ○○○○とか」「「「いてもいいでしよ?」」」

 

「良いわけあるか!誰が○○隷とか玩具とか○ッ○○○○とかに成りたい女を認めるか!!」

 

「「「ミリアからアークを奪わないから大丈夫!!」」」

 

「絶対にアークを守るからお前たちの毒牙にアークをかけさせるものですか!!」

 

「アークに○○○したわ」「アークの○○○を○○だわ」「アークを○○○化して○○○を○○○ったわ」

 

「やめたげて、アークが可哀想でしょうが!!」

 

 ミリアは敵の種類が違う事に気が付いた。恋の敵ではない。

 

「大丈夫よ。ちょっと薬で寝てる間だけだし元に戻しわ」

 

「見張りも完璧、目撃者も絶対にいない」

 

「証拠も蒸発させたから問題ない」

 

「犯罪だから!!合意ないと犯罪!!というか合意合っても犯罪よ!アークは私が守る」

 

「「「やれるもんならやってみろ!!」」」

 

 きっと女の戦いに終わりはないのだろう。

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果汁の入った水筒 エイル @eilu

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