果汁の入った水筒 4

 ユーリは余裕で魔物をジェノサイドした。頼もしいよりも怖かった。だってかけ声が全部が俺に関するとこばかりだしさ。

 

 そして何事もなく入り口で交流する。そしてユーリが俺の事を残りの仲間に説明する。

 

「それでアークはどこに?」

 

「ここだけど」

 

 俺を谷間から取り出すとユーリはアンジェに手渡す。

 

「「チッ」」

 

 怖っ!!バルバはビクッン!!と飛び上がり一歩離れて縮こまる。俺も逃げたいが水筒の身体では何もできない。

 

「どれどれ?ふーむ、間違いなくアークの視線!!私のアークセンサーがビンビンに反応してる!!」

 

 なんなの!?俺センサーって!?視線って俺は水筒なんだが!?えっアンジェも怖い人なん?

 

「中身も気になるわ。練乳に苺果汁入りというぐらいの色合い、おおーどことなくアークを感じる!!」

 

 あっ蓋開けないで!!変なの二人に増えたら変な感じがするって空いてる!!

 

「ゴクゴク、何という甘さ、包み込む様な練乳の甘さ。そして隠れててもわかる苺果汁の存在感、まさにアークですよ」

 

 俺ってどう思われてんの?ねぇ?気になるんだけど聞きくの怖い。

 

「しかしながら早く元の姿に戻さないといけませんね」

 

 俺の蓋が閉められて、モニカに渡される。えっ!?いや俺はへそ出しルックの2人と違うと信じてるぞ!そうであってくれ。

 

「なるほど、この手触りはアークしか出せない。この水筒は100%アーク!」

 

 ・・・なんで??水筒になってるから!俺って水筒の手触りなの?俺は普通の人間だからさ、素肌の手触りでしょ!?

 

「あぁアークが変化したらと何度想像したのか覚えてないけどこの完成度、迷宮ながらやります」

 

 やめて?まじで、錬金術師が言うと洒落にならないからさ。ドン引きなんだけど。あっ飲むのね。中身は俺じゃないよ。

 

「白い練乳に混ざった苺の赤はまるで、初めてでしか交ざらないアレを想像させます!ゴクゴク、この濃さはアークの濃さを再現してるような、そして口を支配する甘さ、あぁこれぞアーク」

 

 ごめん。いろいろ酷い。中身は俺選べないからさなんか、ごめんな。

 

 そして最後にバルバに渡される。お前はまともだよな?な?

 

「・・・」無表情「・・・」おもむろに蓋を開ける「・・・」最後の一口を飲む「グハッ!?ダイレクトに練乳味、いちご果汁で溶いた練乳。それ以外の何物でもない」

 

 喋った!?バルバが喋った!?

 

「バルバ死にたいの?なにアークに向けて吐き出してるの?」ユーリさん?練乳は飲み物じゃないから。「仲間の見分けもつかないとは殺しますよ?」アンジェさん?殺さないで。「アークが気に入らないならこっち飲みます?」モニカさん?そのマーブルな蛍光液体なんなの?怖いからしまって。

 

「・・・」無言で掃除するバルバそしてモニカに渡る俺。なんで!?ねぇ?ねぇ?なんでモニカなの?

 

 モニカは無色透明の液体のが入った霧吹きを取り出すと俺に吹きかけて念入りに拭き上げる。

 

「消毒も終わりましたし、迷宮を殺してアークを元にもどしますよ」

 

 あっモニカさんも俺戻してくれるつもりなのね。

 

「この際仕方ありません。ボス部屋はぶち抜くとしてバルバはハズレ道のトラップをやりなさい」

 

「いや、一人はちょっと・・・」

 

 バルバって俺と喋りたくないの?もしかして嫌われてる?

 

「黙れ、死にたいの?」「嫌なら殺す」「バーサク薬飲む?」

 

 えっ誰なん?俺の知ってるユーリとアンジェとモニカはどこ?

 

 ハズレの行き止まり道へダッシュするバルバ。すまん力になれん。嫌われてるかもだけど。

 

「協定どおりにしますよ?」「当たり前」「破るつもりはない」

 

 ねぇ、その協定ってなんなん?怖いんだけどモニカのドレスアーマーと下着の中にしまわれる俺の定位置はやっぱり谷間らしい。なんでなん?水筒だけど男だよ?

 

「インフェルノバースト」

 

 ちょっと一撃で全滅!?俺今度はアンジェさんに移動なの?俺の爆破されない?うん谷間なのは知ってる。

 

「てい」

 

 モニカさんかけ声がかわいいけど試験管が豪速で飛んでって赤緑の煙が発生したら溶けてる!?見たことないよ!?めっちゃグロいよ!?

 

「てりゃー」

 

 ユーリさん!?なんでその場のヤクザキックで全滅なん?物理法則さん仕事してる?もうやだ・・・。

 

「さぁボス攻略しますよ、私はまずこれで扉を破壊します」

 

 えっもう着いたの?早くない?

 

 蛍光レインボーの薬を取り出す絶対にやばいやつだ。

 

「これでボスを爆発します」

 

 それマーブルな蛍光液体!!仲間に使おうとしたよね!?

 

「じゃあ私が扉に穴空いたらそれをボスに突き刺してくる」

 

 ユーリさん?薬は刺すものなの?

 

「念の為最強魔法で焼き尽くすからすぐ帰って来て、冷却もすぐする」

 

 頷くと3人は配置に着く。

 

 モニカの投げた蛍光レインボー薬は一瞬で扉を溶かす。

 

 そしてユーリが神速でボスの心臓をくり抜きペイっと捨ててマーブルな蛍光液体を変わりに心臓に置く。ユーリは神速で戻って来る。

 

「スーパークリムゾンフレア!!」アンジェの初めて見る魔法が炸裂する。迷宮ごと熱で溶けるのではと言うくらいモニカの薬と合わさり莫大な熱量を生み出す。「アブソリュートゼロ!!」次の魔法で瞬時に冷却されて温度差でボス部屋とその奥がボロボロになる。

 

「「「迷宮核見つけた!!」」」

 

「もう死んでるよ。元に戻ったからな」

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