第244話 執事の受難3

「お茶のお代わり。」


これで5度目のお代わりであった。


執事は内心焦っていた。


早々に用事を済ませてポンコツ2人の様子を見に行きたかったのである。


執事の焦りを感じているのか微妙だが、主である魔王が絶妙に用事を伝えて様子を見に行かせなかった。


魔王がニヤリと笑う。


執事はこの時、魔王が面白がって妨害している事を確信する。


それから庭から何かが爆発する音が聞こえだす。


執事はかなり焦ったが、表情には出さない。


今すぐにでも庭に向かいたいが、自分の職務を投げ出す訳にはいけなかった。


そんな執事を焦りを感じていた魔王が動く。


「茶菓子を頼む。」


また面倒な‥とは言わず、執事がアイテムボックスからお菓子を取り出す。


「それでは、少し席を外します。」


そう告げると執事が部屋から出ようとする。


「あっ、お茶のお代わりを頼む。」


魔王の妨害は続くのであった。

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