第240話 ヤマトの受難4

養えだ?

突然変な事を口走る2人に呆れてしまった。


「ちょっと頭が理解出来てないんだけど‥。」


俺の言葉にキレだすシオン。


「はぁ?

 理解出来ない??

 これだから馬鹿は‥

 ひぃ!!」


シオンが馬鹿と言いかけて、嫁達に殺気を向けられたので途中で悲鳴を上げてしまう。


「すみません。

 すみません。

 すみません。」


必死に親友の頭を押さえつけて、無理やり謝罪させるリズであった。


「ごめん、もう少し詳しく教えてくれない?

 あっ、リズさんが答えてね。」


シオンだとまた失言しそうなのでターゲットをリズさんに切り替える。


「あっ、あの‥。」


小動物のように怯えるリズさん。


獣人だけに可愛く見えてしまう。


「クズのシオンが

 クズの上司に喧嘩を売って‥。

 シオンがクビにされて‥。

 そのとばっちりで私が首になって‥。

 故郷に帰りたいけど、2人の親族はクズなので戻るに戻れなくて‥。」


何だろう、この世界にはクズしかいないのかと錯覚しそうだよ。


「話はわかったけど‥。

 困ってるなら助かるけど、養ってのは‥。」


俺の言葉に反応したのは執事さんであった。


「この2人は貴方様の奴隷ですから‥。

 衣食住、夜迦まで世話するのが義務です。」


「いや、夜迦は含まれてないよね?

 さらって嘘を入れないで下さい。」


一応、執事さんを注意するが意外な人から反論される。


「え?

 もちろん夜迦も含まれますよ。」


さも当然のように応えるリズさんであった。

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