第230話 警告

意識が覚醒し、目を開けると表情の厳しい執事さんの顔が見えた。


完全に目が覚めていなかったが、執事さんの顔を見ていっきに目が覚める。


すぐに上半身を起こすとベッドの周りに魔王さん、冥王さん、獣王さん、海王さん、ネロさん、モニカが心配そうに立っていたのであった。


「おはよう。」


とりあえず朝の挨拶をするが、魔王さん達は明らかに機嫌が悪そうだ。


「朝から何かあったの?」


状況がわからないので素直に尋ねてみる。


「自分が何をしでかしたのか覚えてないのか?」


魔王さんが殺気をのせた声で応える。


しでかした?


‥‥‥


思いしてみるが怒られるような事をした覚えがない。


「特に何もしてないけど‥。」


俺の答えに全員がため息をつく。


何だろう、馬鹿にされたような気がした。


俺が思い出せずにいるとモニカが口を開く。


「ヤマトさん、覚えてないの?

 アリサさんの話だと、魔族領を一部吹き飛ばしたらしいよ。」


魔族領を吹き飛ばした?


「イヤイヤ、それはないって。

 確かにミサイルで地面に穴は開けたけど‥。

 吹き飛ばしたりしてないよ。

 他の人じゃない?」


身に覚えがないので否定してみる。


「他の人??

 そんな訳あるか!

 我々はその場にいて、お前が吹き飛ばすのを実際に見ておる!」


魔王さんに胸ぐらを掴まれながら怒られるのであった。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る