第206話 説得3

どうする?って言われても‥。


俺が困っているのを見てほくそ笑むシオン。


なんだかムカつく‥。


目に物見せやる!


「大岩については、リズとシオンで誤魔化して。

 もし壊したのが俺だとバレたら2人とも覚悟しててね。」


ここはあえて殺すとは言わないでおく。


「いや、誤魔化せって言われても‥。」


シオンの表情がくもる。


「2人とも俺の奴隷なんだから、ちゃんと言う事聞いてね。」


本当は奴隷に命令などしたくないが、ここは心を鬼にする。


シオンが困惑して固まっているが、リズが動く。


「わ、わかりました。

 2人で何とか誤魔化します。

 命令はそれだけですか?

 後で夜伽とか言いませんよね?」


リズはしっかり俺の目を見ながら尋ねてくる。


「うん、それ以外は命令しない。

 あっ、もう一つあった。」


リズが生唾を飲み込む。


いや、変なこと言わないから。


「俺たちの事を詮索しないで。

 世の中知らない方が良いこともあるよ。

 ねぇ、そこのエリート宮廷魔導さん。」


あえてシオンを名指しして圧をかけておく。


シオンはビビったのか何度も頷いている。


おっ、ちょっとしおらしくして可愛いかも。


今度こそ、びびる2人を執事さんに送ってもらうのであった。

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