第175話 我慢

ウミによる突然のか弱いアピールを無視して、この場から立ち去ろうと考える。


「この辺りはモンスターが出るので早く街に行った方が良いですよ。

 では!」


俺はそれだけを言い残すとウミから逃げようと試みるが、何故か腕を掴まれてしまう。


「何処に行く?

 お前はか弱い私を見捨てるのか?」


ウミが謎の懇願モードに入ったようだ。


何がか弱いだよ。

モンスターの頭を握りつぶした癖に‥。


もちろん口には出さず我慢する。


ウミが掴んだ手に力を入れる。


痛いです。

骨がミシミシいってます。


何とかしたいがここは我慢だ。

下手に対抗して騒がれるのは得策ではない。


ウミがさらに手に力を入れようとすると俺の影から人影が飛び出す。


あちゃー、我慢できなかったかぁ‥。


俺はウミの首筋に鎌を押しつける冥王さんを見てため息をつくのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る