第161話 祝宴

「実は‥

 新しい青魔法を覚えたので街の外にあった大岩で試し撃ちを行なってしまい‥。

 それが原因で大岩を粉々にしてしまいました。

 まさかあの大岩がそんな大事な物とは知らなかったのです!

 王都からは調査隊がこの街に向かってるようで、いまさら名乗り出る事も出来ず‥。」


俺は正直に大岩を壊した話をした。


皆んなは最後まで黙って聞いてくれた。


そして‥。


「ふふふふふふふふふふ。

 これは傑作ですね。

 ふっふっふっ。

 いや、笑いが止まらないです」


あの冷静沈着な執事さんが目に涙を溜めて笑っている。


モニカ以外の他のメンバーも笑っている。


「こっちは真剣に話してるんだよ!

 さすがに笑うのは失礼じゃない!」


思わず笑ったメンバーに噛みついてしまう。


「ふふふふ。

 これは失礼。

 ですが、コレは笑わずにはおれませんよ。」


執事さんが笑った表情から真剣な表現にかわる。


「どう言う事ですか?」


俺に執事さんに問いかける。


「アレは大昔に魔族の幹部を押し潰した憎っくき大岩ですよ。

 それを我らに代わって粉砕してくれたのでしょ?

 これほど喜ばしい事はないですよ。」


執事がニコニコ顔で応えてくれる。


その後、遅くまでお祝いする事となった。

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