第159話 さらに‥

「あの岩はそんじょそこらの攻撃ではびくともしない代物であった。それが壊れるとは‥。

 神官達は何か災いの前兆だと騒いでいる。」


ギルド長が表情を曇らせる。


「わ、私が住んでいたところでは長い年月が経つとひび割れたところから雨水が入ると大岩が割れたりしてましたよ。」


苦し紛れに言い訳をしてみる。


「俺も同じ事を考えたが、今回は違うと思う‥。

 割れたのではなく粉々に砕かれているんだ。

 これは自然に起きた事ではない。

 何か強力な力で砕かれたと考えて間違いないと思う。」


やばー!

ギルド長はもう攻撃だと断定してるよ!!


ここで頭をよぎるあの二択。


1.正直に謝る

2.誤魔化す


「あの実は‥。」


俺が1を選択しようとするとノックもせずに扉が開かれる。


「ギルド長、大変です!!」


受付嬢の1人が飛び込んでくる。


「おい、ノックは?」


ギルド長が受付嬢を注意しようとするが受付嬢はさらに言葉を続ける。


「申し訳ございません。

 ですが、どうしても火急にお知らせしたい事が‥。」


受付嬢は話を続けようとして俺の存在に気がつく。一瞬このまま話を続けていいのか迷ったようだったがギルド長が一回頷くと肩を開いた。


「大岩の事で王都から調査隊が派遣されたようです。

 先発隊は早くても明日には到着するとの事です!!」


受付嬢の言葉に愕然とする俺であった。

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