第104話 貸し一つ
今日こそ、ヤマトと結ばれたい。
ヤマトと結婚したが、何故か契りは結べてなかったのだ。
その原因なのが魔王、四天王の一人、人間、そして最大の難関の執事だ。
ヤマトの屋敷に住み始めて数日目、何度もヤマトの寝室に侵入しようと試みたが執事にやって阻止されていた。
もちろん、魔王達も排除されている。
まぁ、皆んなが平等なのは少しだけ嬉しかったのだが‥。
ただ魔王達の話だと私以外は全員ヤマトと契りを交わしているらしい。
悔しい!
これほど悔しい事があるだろうか!!
しかし今日こそは目的を遂げてみせる。
決意を新たに冥王は行動を開始する。
「何のつもりですか?」
執事の冷たい声が響く。
そう、冥王の私は執事に頭を下げているのだ。
「お願いがある‥。」
執事に対して真摯な態度をみせる。
フフ。
執事が一瞬ニヤけるがすぐにいつもの顔に戻る。
「今日はヤマトと寝屋を一緒にさせてくれ!」
先程より深く頭を下げる。
執事は何かを考えている素振りを見せるがすぐに口を開いた。
「貸し一つ。」
執事が指を一本立てて微笑む。
正直、こんな奴に貸しなど作りたくはなかったが今日は引けなかった。
「わかった。」
私は執事と約束してしまう。
後が怖かったが仕方がない。
私は頭をもう一度下げると準備をする為、部屋から出ようとすると執事がポツリとつぶやく。
「他の奥様達は私が何とかしますので、ご安心ください。」
冷静でなかった私は執事の言葉の意味を理解出来てなかった。
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