第103話 対ゴブリン
今日はヤマトが依頼を受けたそうなので邪魔にならないように離れた場所から見守っていた。
「お茶のお代わりはいかがですか?」
魔王の執事がお茶を勧めてくる。
「ありがとう、でも今はいいわ。」
執事は軽く会釈すると魔王の背後に待機する。
執事としても完璧なんだけど、それよりも冥王の私と魔王が協力しても勝てそうないのに腹が立つ。
私と魔王と執事は少し丘になっているところで椅子とテーブルを並べて寛いでいる。
丘の下ではヤマトがゴブリンと殴り合っていた。
「魔王、ヤマトは魔法使えたはず。何でゴブリンと殴り合ってるの?」
正直あまり仲良くしたくなかったが、気になったので魔王に尋ねてみる。
「あっ?
あ〜、あれは何とかパンチを覚えたいとか言ってたような‥。」
魔王が一瞬だけ悪態をつこうかとしたが思いとどまったようだ。
魔王とは表立って喧嘩はしないがやはりギクシャクしている。
長年仲違いしていたのだからそれは仕方がない事であった。
「あっ、危ない。」
ヤマトがゴブリンにボコボコにされている。
一瞬魔王を見るが特に心配した様子は見えなかった。
チクッ。
胸の奥に痛みがした気がする。
ヤマトを信じている魔王に嫉妬している自分がいる。
魔王にヤマトを取られたくない。
今夜、冥王が本気を出す。
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