第100話 幕間 竜王の怒り1

「ごめんなさい。私、耳の調子が悪いみたいです。申し訳ないけど、もう一度聞かせてくれる?」


玉座に座る竜王が優しい声色で部下であるブラックドラゴンに先程と同じ報告をさせる。


「魔王が結婚したようです。」


ブラックドラゴンは先程より少し大きめの声で主人に報告を行う。


魔王の結婚が報告されると他のドラゴン達もザワザワと騒ぎ出してしまう。


ブラックドラゴンは他にも報告をしたかったがザワザワが大きくなってしまった為、騒ぎが落ち着くのを待とうした。


「続けて。」


竜王の声が騒ぎを強制的に終わらせる。


「は!冥王も結婚したようで、相手は魔王と同じようです!」


ブラックドラゴンの報告がされると今度は誰も何も言わない為、沈黙が続くのであった。


「魔王と冥王が結婚!?

 しかも同じ相手!?」


竜王の声だけが部屋中に響き渡る。


「どんな相手なの?

 種族は?」


竜王が玉座から前のめりになりながらブラックドラゴンに問いただす。


「も、申し訳ございません。獣王の元にいる密偵からの情報でして‥。相手の詳しい情報はわかっておりません!」


「!?

 どういうとこと?

 魔王や冥王の元にも密偵はいるでしょ?

 何で獣王のとこの情報なの?」


竜王は納得出来なかったのかブラックドラゴンにかみつく。


「魔王、冥王の元に送った密偵は潜り込ませた当日に殺されております。」


ブラックドラゴンが申し訳無さそうに報告を行う。


「チッ。」


竜王の舌打ちが響くのであった。

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