第98話 手に入れますか?

 執事さんに身体を洗ってもらうのは丁重にお断りして、二人で湯船につかる。


「広くて綺麗なお風呂ですね?」


「お褒め頂きありがとうございます。作った甲斐がありました。」


会話が続かない‥‥。


話題がなくて困っていると執事さんの方から話し掛けてくれた。


「一つ質問があるのですが‥魔王と冥王を娶る意味がお分かりでしょうか?世界を手に入れますか?」


執事さんが真剣な表情で尋ねてくる。

ここは誤魔化しや嘘はいけないから本心を話そうと思った。


「魔王様や冥王さんに仇なすなら、人間と敵対してもいいと思っています。これで解答になりますか?」


執事さんの目を見て真剣に答えてみた。

正直執事さんの反応が怖い‥。


すると浴室に執事さんの笑い声が響く。


「フゥーハハハハハ!」


少し悪役っぽい笑い方だと思った。


涙目になりながら笑いを堪えて執事さんが口を開く。


「最高です。大変興味深い解答でした。貴方はやはり面白い。どうですか?獣王も嫁にして盤石としますか?」


執事さんはずっと笑い続けるのであった。

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