第92話 溜め息

 俺が魔王様と冥王のどちらかを選べと迫られて出した結論は‥。


「両方を嫁にします!」


俺はクズ的な発言を高らかに宣言する。


「「「はぁ?」」」


魔王様、冥王、側近が呆れた感じで俺を見てくる。


「魔王様、冥王様のお二人と離れたくありません。ネロさんとモニカさんを入れた5人で幸せな家庭を築きたいです。」


批判覚悟で自分の気持ちを伝える。


「フン、正妻はワレだからな‥。」


魔王様は少し拗ねたが、冥王を受け入れてくれた。


「わ、私の名前も言ってもらえた‥。」


ネロさんは名前を呼ばれた事を喜んでいた。


「正妻は譲るから、第二夫人は私だからね。」


冥王も魔王様の事を認めてくれた。


「私の名前があれば完璧でしたが‥。まぁ、及第点ですね。」


執事さんも概ね認めてくれたようだ。


ただ、和やかになりそうな空気を側近の一人が崩すことになる。


「冥王様に申し上げます。我々も結婚自体には反対しませんが、魔王様と冥王様が同じ相手に嫁ぐ意味がお分かりでしょうか?竜王様、海王様等が良く思うはずがありません。」


魔王様と冥王が竜王と海王の名前を聞いて渋い顔になっていた。

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