第87話 赤色

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魔王side


いくら探してもヤマトが見つからない!

くそ!アヤツの事など無視すればよかった!!

何たる失態だ。


沼を探し回っているが見つけるのはジャイアントトードばかりだ。


あ〜イライラする!


ん?

紫色の巨大なジャイアントトードが近づいてくる。

まさか‥アイツに喰われてないだろうな‥。


「ゲコゲコ。」


希少種が相手が魔王とは知らずに『かえるのうた』を使ってくる。


「ん?何かしたか?」


魔王には全く効果がなかったようだ。


希少種は急に目の前の女が怖くなり逃げ出そうとするが、自分の視線が地面に落ちていくのを感じた。身体を動かしてないのに‥。


魔王の手刀が希少種の首を刎ね、体液が飛び散る。


その後、念のため希少種の胃の中を確認してヤマトが居ないことを確認したのである。



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ヤマトside



「やっぱり駄目だったかぁ‥。」


冥王の目から涙がこぼれる。


ゲコしか言えないが、何か冥王に声を掛けようとすると身体が光に覆われる。


えっ、これって身体が元に戻るのか?

このタイミングで!!


俺の身体はカエルの姿から元に戻るのであった。


あっ、ここ風呂場だ。

俺は服を着ていて、相手は全裸だ。

うん、殺される‥。


俺は殺される事を覚悟して目を瞑ったが、いつになっても攻撃される事はなかった。


俺が恐る恐る目を開けると、冥王が銀色から赤色に変わった鎖を震える手で大事そうに触っていた。

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