第86話 鎖
「カエルさん、返事は?」
冥王が真剣な顔で俺の事を見てくる。最初は冗談かと思ったがその表情で冗談でない事がわかった。
この時、冥王の境遇を聞かされて同情してしまっていた。
そう、魔がさしたのだ‥。
「ゲコ(ハイ)。」
この時は所詮はカエルに対する冗談だと思ってました。
冥王は俺の返事を聞くと、顔から感情が消える。
「今、ハイって返事したよね?私のプロポーズ受けたよね?確実にハイって言ってよね?もう取り消せないからね。」
こわ!
一方的に喋られて恐怖しました。
「フフ、わかってる‥。冥王の私とカエルさんが結婚出来るとは思ってないわ。お母様に聞いた事があるのよ。並大抵の魂では私の魂には太刀打ち出来ないって。私と対等の強さがない駄目なのよ。」
冥王がまた悲しい表情に戻る。
「面白いものを見せてあげるわ。ほらよく見て。」
冥王がそう言うと何かの呪文を唱える。
すると冥王の左手の薬指に淡く光指輪が現れる。
その指輪にはかなり細い鎖が結ばれていて、その鎖が俺の方に伸びている。
「面白いでしょう?お母様から聞いた話だと婚姻が結ばれると、この銀色の鎖が赤くなるらしいのよ。」
冥王が悲しい目で見る鎖は銀色だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます