第67話 関係ない

「ヤマト様、大丈夫ですか?」


いつの間にか側に来ていた執事さんに抱き起こされる。


「ちょっと動けそうにないです。」


怪我して動けない事を執事さんに正直に伝える。


「わかりました。」


執事さんは短く呟くと何かの魔法を使ってくれる。


『ホワイトウインド』をラーニングしました。


アナウンスが聞こえると同時に身体の傷が回復していく。


「ちょっアンタだれよ?魔族関係者?邪魔するなら消すわよ!」


メイドの幽霊が執事さんに喚き散らす。


執事さんはメイドの幽霊を無視して、俺の身体についた血を拭き取ってくれていた。


「無視すんなオッサン!」


メイドの幽霊が長い爪で執事さんに斬りかかってくる。


執事さんは無詠唱で魔法を叩きつける。


「クッ」


苦悶の表情を浮かべるメイドの幽霊。


「どうですか?動けないでしょ?この魔法は麻痺させた挙句、瀕死にするものですよ。たとえ霊体になっても苦しみは感じるでしょ?」


執事さんが笑いながらメイドの幽霊に語りかける。


「あの‥、俺もかかってますが‥。」


何故だか俺も同じ魔法を使われていたので執事さんに抗議する。


「ついでですよ。ちゃんと覚えられたでしょ?」


執事さんがウインクしながら答えてくれた。


『デスクロー』をラーニングしました。


執事さんが言った通り、今の魔法をラーニングした事を告げるアナウンスが聞こえるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る