第65話 打つ手なし

 俺の手には以前レベル上げて借りた剣が握ららている。あの後、執事さんが貸してくれたのだ。


俺が鎧の人間に斬りかかろうとするとメイドから声が掛かる。


「そんな大層な剣で斬っても大丈夫ですか?その人間、まだ生きてるかもしれませんよ?」


メイドの話を聞いて振り上げた剣をアイテムボックスに収納する。


マズイ、これだと『火炎放射』も使えない。


考えながら戦っているので相手の攻撃が当たってしまう。

致命傷にはならないが体力を奪っていく。


レベル100なのでHPも高いので死にはしないが、対策もないのでジリ貧だ。


アイテムボックスからシールドを二つ出して防御に徹する。


「守ってばっかりでは勝てませんよ!」


メイドの幽霊が笑いながら煽ってくる。


あの野郎、絶対にぶっ飛ばす。

段々と怒りが湧いてきた。


鎧の人間からタコ殴りにあう。


それでも攻撃に耐える。


『ちからため』を発動。


さらに攻撃に耐える。

剣が手や足を切り裂く。


限界まで耐え、『すてみ』を発動。


鎧の人間を盾でぶっ飛ばし、本当の狙いのメイドの幽霊に渾身の体当たりをお見舞いする。


メイドの幽霊が油断していたのか、回避出来ない。


「もらった!」


俺は叫ぶと、幽霊のお腹をすり抜けて背後の壁に激突するのであった。

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