第63話 狂気

突然聞こえてくるアナウス、想定出来るとしたら‥。


「今、俺をあやつろうとしましたね?」


「チッ!」


俺が指摘するとメイドの幽霊が舌打ちする。


やはりこの人は信用出来ない。

俺の中で警戒レベルが上がった。


「どうしてあやつれないの!?今まで討伐に来た冒険者はあやつれたのに‥。」


メイドの幽霊から聞き捨てならない言葉を聞いた。


「討伐に来た冒険者がいたの?フローラさんからはそんな話聞いてないけどなぁ‥。で、その冒険者達はどうしたの?」


この幽霊から感じる狂気を考えれば答えは予想出来るがどうしても気になって聞いてしまう‥。


「そんなに警戒しなくて大丈夫ですよ。皆さん元気です。最初は私を倒そうと襲って来ましたが、今では一日中仲良く過ごせるまでになりましたよ。」


メイドの幽霊が笑顔で答える、目は笑ってないが‥。


「皆さん、入ってきて下さい!」


メイドの幽霊が合図すると黒い鎧を纏った人間達が扉から雪崩れ込んで来るのであった。

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