第58話 ご挨拶

 頭を抱えたギルド長をほったらかしにして宿に戻る事にした。


「あっ、ヤマトさん。」


いつもの宿屋に戻るとモニカに呼び止められる。


「私達の結婚の事をそろそろ両親に相談した方がいいと思うの‥。」


モニカが真剣な表情で胃が痛くなる様な事を言ってくる。


「そうだね。お父さん達は今どこ?」


「ありがとう!今、食堂で休憩しているから一緒行こう!!」


モニカが嬉しそうに俺の手を引っ張っていく。


よし。覚悟を決めよう!




「それで話とは?」


食堂にはモニカのご両親と何故か兄弟達が揃っていた。


うー、緊張する。


「も、モニカさんを俺に下さい!」


ヨシ、少し噛んでしまったがキチンと言え。


俺の言葉にご両親と兄弟達はキョトンした表情をしている。


???

伝わらなかったのか?


「モニカさんと結婚したいのですが‥。」


「勝手にしたらいい。」


お父さんがさらって答える。


「許可は?」


「ヤマトくんは変わってるわね。」


お母さんが笑い出した。


それにつられて兄弟達も笑い出した。


後で聞いた話だが、一般的には結婚は本人同士の問題らしくて基本的には報告だけでいいとの事らしい。


だったら早く教えてよ!

無駄に緊張してしまったよ!


もちろん声に出す事はなく、心の中で突っ込むのであった。

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