第55話 ギルド長の憂鬱3

 またヤマトがやらかしたと聞いて、ギルドの地下にある解体場兼買取り場にくる。


「おやっさん、邪魔するぜ。」


ギルド長が挨拶すると、かなり年老いた人間が近づいてくる。


「おう、お前さんか。すまんな、忙しいのに‥。」


おやっさんと呼ばれる男が気まずそうな顔をする。


「気にするな、仕事だよ。」


ギルド長が手をヒラヒラさせながら笑顔を向ける。


「それで、問題なのがコイツだ。」


おやっさんは台の上にある、いっかくうさぎの死体を指差す。


ギルド長が死体を触って調べ始める。


「傷口がないな‥。毒殺か?それにしては匂いもない。苦しんだ様子もないし‥。何匹いるんだ?」


「22匹だ。俺もこの仕事について50年以上だが、こんな死体は初めてだ。」


アイツ、どんな倒し方したんだ‥。


買取りで騒ぎになったので、今後の事もあるし聞き取りする必要が出てきたな‥。


ギルド長は昨日の騒ぎも思い出して、頭が痛くなるのであった。

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