第54話 ギルド長の憂鬱2

 王都での面倒な会議も終わったし、今日はゆっくり出来るな。


ギルド長のジャックスはゆっくりお茶を飲んでいた。


「穏やかな日だ‥。」


昨日のセラの結婚騒ぎが嘘の様だ‥。


「ギルド長、大変です!!」


受付嬢の一人がノックもせずに部屋に飛び込んでくる。


ギルド長はため息をつくと口を開く。


「あのなぁ‥。巷ではいろいろ言われているが、これでも一応ギルドの長なんだな。急いでいるところ悪いが、今度からはノックしてから入ってきてくれ。」

優しい口調だが圧のある声で受付嬢に注意をする。


飛び込んだ受付嬢もさすがに悪いことをしたことに気がついて恐縮していた。


「で、何があった?」


受付嬢への注意はそこまでにして会話を続ける。


「それが‥、ヤマトさんが持ち込んだ素材に問題があるようで‥。素材買取りが止まっています。」


「ヤマトってセラの旦那になる冒険者だよな?またアイツかぁ‥。」


ギルド長の中でヤマトがブラックリスト入りするのであった。

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