第38話 真面目な話

レベルも上がった事なので、執事さんと真面目な話をしようと思う。


牢獄を後にして、執事さんと二人っきりで話せる応接室に来ていた。


「それで話とは?」

執事さんがまるで俺が何を話そうとしているのか知っているような、余裕を持った表情で話しかけてくる。


「今後について話がしたくて‥。俺はこのままずっと魔王城で過ごす事になりますか?」


俺は恐る恐る質問してみる。

もしYESってなったらどうしよう‥。

一生このままってはさすがに‥。


「ヤマト様のお好きなようにして下さい。一生ここで暮らしたいのであればそれでも宜しいですし、人間界に戻りたいなら戻られても良いですよ。」


執事さんが優しい表情で語りかけてくる。


えっ、好きにして良いの!?

俺がすぐに人間界に戻りたいと叫ぼうとすると執事さんの一言が聞こえる。


「もちろん魔王様も一緒ですよ。」

さも当然のような口振りで言ってくる。


そこは譲ってくれないのかぁ‥。

でもこれも想定内だ。


「ちなみに魔王様は家事とか出来ますか?二人で住むならお互い家事が出来ないと困りますよね?」


これは魔王様に家事修行させる流れに持って行く作戦だ。


「フフ‥。」

執事さんがまるで見透かしていたかな様な表情で笑う。


「魔王様は家事得意ですよ。実は花嫁に憧れていて密かに家事を特訓していたのです。可愛いですよね。」


執事さんは孫を可愛がる様な笑みを浮かべる。


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