第29話 ゆうべはお楽しみでしたね

 目が覚めたら、見たこともない豪華なベッドに寝ていた。


昨晩の記憶を呼び起こすが、こんな豪華なベッドで寝た記憶はない。


とにかく起きようと上半身を起こすと薄い布がめくれて、全裸の魔王様が現れる。


ビックリして悲鳴をあげようとしたが、何とか飲み込んで悲鳴を抑えた。この状況で魔王様を起こすのは得策でないと考えたからだ。


今のショックで脳が完全に覚醒したので、状況を確認する。


・豪華なベッド

・全裸な魔王様

・全裸な俺

・カピカピな下半身

・血のついたシーツ


うん、やったなコレ‥。

状況証拠が揃いすぎだよ。


こんなところを誰かに見られたらどうしよう!


とにかく服を着ないと。

寝ている魔王様を起こさないようにベッドから降りて服を探す。


すると部屋の隅から声が聞こえる。


「おはようございます。ゆうべはお楽しみでしたね。」


そこには笑顔の執事さんがいた。

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