第30話 選択肢はない

目の前には笑顔の執事さん、ベッドにはおそらく事後である魔王様。


オレ、つんでるじゃん!


執事さんの攻撃!

「大丈夫ですよ。責任を取れなど申しません。やり捨てて結構です。」

笑顔で言ってるけど、内容はひどいよ。


「さすがにそれはひどくないですか‥。」


やり捨ててとか言われるとハイとは言えないよ。


「では、やり捨てせずに責任を取ってくれると言うことですね?」


執事さんの圧が凄い。


「せ、責任とは?」


「魔族最高位の魔王の純血ですよ。もちろん結婚して頂きます。」


「さすがに結婚は‥。」


「では、やり捨てるんですね?」


「捨てはしませんが‥。」


すると寝ていると思っていた魔王様が突然胸ぐらを掴んでくる。


「煮え切らない奴め!ワレの事が嫌いか?」


魔王様が顔を真っ赤に染めながら、上目遣いで見てくる。


「嫌いではないです。」


「良かった。では、永遠に宜しく頼むぞ!」


かくして、異世界にきて未だに冒険すらしていないレベル1のオレは何故か魔王と結婚する事になるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る