第25話 吸血

執事さん達のコソコソ話は続いていたので、何かアピール出来る青魔法がなかったかゲームの事を思い出そうとしていた。


「あっ、丁度いいのがあった。」

俺は使えそうな青魔法を思い出して、執事さん達に声を掛ける。

コソコソ話が終わったのか執事さん達が集まってくれた。


「誰か、少しでいいので私にダメージを与えてくれませんか?」

俺は頼んでみるが全員が困った顔をしていた。


そしてまたコソコソ話が始まる。


「どうすんのよ。息吹きかけても死にそうよ。」

「何をしても死にそうですよね。」

「私も敵を倒す事しか考えてこなかったので、手加減出来そうにないですね。」


その後も話し合いが続き、結局執事さんがやる事になった。


「では、やりますね。」

執事さんは数メートル離れた場所でデコピンの構えを取り、軽くデコピンをする。すると空気の塊が俺に向かって飛んでくる。


ゴスッ!

あれだけ軽くしたのに思ってた以上の衝撃が俺を襲う。


HPを確認すると半分以上減っていた。


まさかこんなに減るとは‥。

自分の弱さに驚いてしまった。


このまま凹んでいても仕方がないので話を続ける。


「次にネロさん、吸血してもらっていいですか?」


「わかったわ。」

困惑気味のネロさんだが、指示には従ってくれて、俺の首筋に噛み付いた。


牙がクビに刺さった瞬間はチクッとはしたが、すぐに痛みはなくなり逆に血を吸われると気持ちよくなってきていた。


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