第12話 魔王城へようこそ

ヴァンパイアに案内されて個室に入ると、すぐに腕を掴まれた。


血を吸われるかと思ったが、違ったようだ。


何か呪文を唱え出した。


正直、逃げ出したい‥。


でも、力が強くて振り払うことが出来ない。

何気にHPが減り出した。


掴まれただけでダメージ食らうの!?


もう詰んだよ‥。


ってか、何がしたいのかなぁ。


ヴァンパイアにビビっていると呪文が完成したようで、魔法陣が何個も浮かび上がってくる。


抵抗も出来ないので大人しくしていると不意に視界が真っ暗になった。


何かジェットコースターに乗ったような浮遊感がしてくる。

う゛気持ちが悪い‥。


そして浮遊感が収まり視界が晴れると、俺の目の前には黒で統一された禍々しい巨大な城がそびえていた。


ぜ、絶対ヤバイ奴が住んでる城じゃん!

俺、レベル1だよ!!


とにかく落ち着こう。


この場所が何処かも分からないので逃げるわけにもいかないし‥。


最悪は土下座して靴でも舐めれば許してもらえるかなぁ‥。


俺が考え事をしていると城から走ってくる物体が目に入った。

物凄いスピードで近づいてくる‥。


土煙をあげて近づいてきた物体は俺の目の前で急停止した。


ん?

小学生ぐらいの女の子だった。


髪は真っ白でツインテール、刺々しい真っ黒な鎧を纏っている。

顔は幼い感じだが真っ赤な目が印象的だ。


女の子が息を整えてから、大きな声で叫ぶのであった。


「魔王城へようこそ!!」

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