第11話 幕間 ある魔王幹部の憂鬱
「ネロ!強者はいつくるのだ?」
魔王様が今日も同じ事を聞いてくる。
「さぁ‥。最後に魔王城まで来たのは30年前ですかね。」
「アイツは強かったぞ。鎧に傷をつけたし‥。」
魔王様が興奮気味に語ってくる。
「次はいつくるのじゃ?明日か?明後日か?」
「来ませんよ。そもそも魔族領に入った情報もないですし‥。」
「俺は強いヤツと戦いたい!!」
「一応女性ですので、俺とか言わないで下さい。」
「とにかく戦いたい!!」
魔王様がイライラしている。
不意に魔王様が何か思いついたのか悪い顔になる。
あっ、嫌な予感がします‥。
「魔王軍、四天王が一人、ネロに命令じゃ!冒険者ギルドに潜入して、強そうなヤツをこの城に連れて来い!」
「えっ、本気ですか?」
「本気も本気じゃ!
さぁ、早く行って来い!!」
500年前の人間との戦いで勝利に貢献し、やっとの思いで四天王になったのに‥。
私は、ただただ低いテンションで人間のとある町に転移するのであった。
あれから3ヶ月、試験や面接を受けてやっと冒険者ギルドに潜り込んだ。
それにしても、中々強者は現れないですね‥。
今日も定時で帰ろうと思っていると、不意に鑑定で調べられた感じがわかった。
えっ、誰?
あまりに急だったのでビックリしてしまった。
周りを確認すると目の前に、青いローブを着た青年が立っていた。
いや、まさか私の正体に気がついたのか‥。
イヤイヤイヤ、私は魔王軍の四天王ですよ。
ステータスにも偽装してますし、バレるわけがえりません!
ほら、私の美貌に目が眩んだだけでしょう。
えっ、何か汗を流している!?
それに物凄く私の事を睨んでくる‥。
やっぱり、私の正体に気がついている!
魔王様、私はやりました!
強者を見つけましたよ。
奇抜は格好してますし、きっと名のある強者ですよ!
すぐに連れて行きますので待ってて下さい。
私は緊張気味に、この強者に話しかけるのであった。
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