オシャレについて　スタイリストは何が違うのか？

すでおに

　テレビに映る芸能人はオシャレです。俳優女優に限らず、お笑いの人でも、このジャケットオシャレだなぁ、などと目を引かれることが多々あります。

　私はオシャレです、と自称できるほど私はオシャレな人間ではありません。ファッションが好き、というと口幅ったいので控えますが、決して嫌いではなく、ダサいよりオシャレがいいに決まっています。服装なんてどうでもいい、という意見はどこか逃げ口上に聞こえ、裸で生活しているのではないですから、着るものにはそれなりに気を使いたい。私の服装は年々マシになっているつもりです。

　テレビに映る芸能人はオシャレでも、私服はそうでもなかったりします。時々見かける芸能人の私服。テレビで公開していたり雑誌に載っていたり。中には盗撮めいたものもありますが、そういったものを見ると、芸能人もさして変わらないなと。親近感を抱く人もいましょうが、私は着ぐるみの中身を見てしまった気分になります。

　いつの時代も芸能人にはファッションリーダーがいて、いまならSNSにコーディネートをアップしていたりしていますが、正直な感想を言わせてもらえれば、意外とイマイチだったりして、オシャレより奇抜に見えることも多く、テレビに出ている時の方が数段カッコいい。※個人の感想です。

　なぜテレビで見るとオシャレなのか？

　いうまでもなくスタイリストがついているからです。芸能人はスタイリストが用意した衣装を着てテレビに出る。素人でもそれぐらいの知識はあります。

　芸能人の私服とスタイリストが選んだ衣装。私は、その間に大きな隔たりを感じるのです。どこがどうという明確な違いではないけれど決定的な違い。衣装の方が垢抜けているというか洗練されているというか。言い知れぬ差が存在していて、言うなれば、芸能人と一般人の違いのようなものです。

　何がどう違うのか。ずっとひっかかってたその答えがようやく見つかりました。

　着たい服と似合う服。

　芸能人に限ったことではなく、世の中のほとんどの人が洋服を選ぶ基準は、着たい服でしょう。アパレル店やネットショップを物色し、懐具合や流行を考慮しながらお気に入りの一着を見付ける。出会った時の喜びはひとしおで、好きな服を着ることこそがオシャレの醍醐味です。

　ですが、自分をよりカッコよく見せるのは似合う服です。着たい服が似合うに越したことはありませんが、世の中そうそう都合よくできていません。多くの人は、似合う似合わないは後回しで、まず好みかどうかが最優先でしょうし、好みに合った服はひいき目に見るものです。ですが、それはあくまでも主観であって、他人の評価と一致するとは限りません。

　スタイリストが衣装を選ぶ基準は似合う服でしょう。直接聞いたわけではありませんが、タレントがより映える衣装を選ぶのがスタイリストの役目で、ファッションセンスのみならず、対象に似合う服をセレクトする能力、それがスタイリストに必須なのではないでしょうか。

　着たい服と似合う服。主観と客観と言い換えることができるかもしれません。