第6話
「僕も好きです」
そう帰ってきた。とても嬉しい。
次の日、矢田と会った時に少し照れくさかった。矢田は私に
「おはよう」
と元気に挨拶してくれた。私も
「おはよう」
とはにかみながら返した。私たちはとにかく色んなことをした。寝落ち電話もしたし、LINEも沢山送ったり、遊んだ。
クラスで席替えがあった。彼と私の席が斜め前と後ろという最高の位置だったのだ。しかし、彼の隣の女子は可愛い、頭いい、優しいというレッテルを持つ完璧女子。毎日のように話す。しかも斜め後ろには矢田の幼馴染の女子。同じく毎日のように話している。
「昨日のテレビ見た?」
そう私が言うと矢田は
「寝てたから見てない〜」
と返す。その後すぐに隣、斜め後ろの女子と話し始めた。こいつ私の事好きじゃないんじゃ。そう思ったけど、受け入れたくなかった。
次第に話す頻度は減っていった。
私の方から話しかければよかったのだが常に他の人(主に女子)と話しているので割り込むのは申し訳なかった。
春菜からは
「矢田となんかあった?」
と言われる始末。だから今の状況、気持ちを伝えると
「え、最悪じゃん。別れちゃえば?」
「まだ普通に好きだから別れたくない……」
「じゃあもう一度気持ち伝えてみれば?」
それなら行けるかも!そう思いLINEを開いた。あれ、1件矢田から来てる。そう思い開くとそこに書いてたのは……
「ねね、急にごめん。俺ら別れない?きちんと考えたんだけどさ俺はもう好きって思わないかなーって。ほんとごめん。」
「は?」
ふざけんなよ……あんたが他の子と喋ってるから冷めたんじゃん。涙が溢れた。きっと目は腫れていただろう。
春菜にその事を話した。
「え、嘘でしょ?大丈夫なの?」
「うん、もう大丈夫だよ。でももし、隣と斜め後ろがあの子たちじゃなかったら、同じクラスじゃなかったら私、まだ付き合えてたのかな。」
「どうでしょ、でもきっといい出会いあるよ。華可愛いからさ」
その優しさが嬉しい。でもやっぱ好きっていう感情が心の片隅にあった。
冬がすぎて春になった。
私は親の都合で転校することになった。
彼のことをキッパリ忘れられるいいチャンスだろう。まだ好きだから。
春に一人の少女が恋をして次の春その少女は次の恋を待つのでした。
秋が過ぎると共に去った恋 〜まだ好きじゃだめですか?〜 抹茶レモン @machalemon
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