第5話

「あのね、実は……」

そう矢田の前で口を開いた。

「野崎から夜に電話が掛かってくるの」

と言った。すると矢田はいつもより低めの声で

「は、何それ。そんなやつブロックしちゃいなよ。」

と言った。直ぐにブロックは怪しまれると思い、1回は見逃すことにしようと思った。



放課後、野崎とのLINEで

「これ以上夜中に電話をかけてくるならブロックします。」

と送った。すると直ぐに

「じゃあお前の好きな人、好きな人にばらすわwww」

と帰ってきた。ブロック出来ないじゃんか。

最悪。でも夜中に電話をかけてくる頻度は減った。寝不足は少し解消された。



野崎の隣の席。もう辞めたい。授業中毎回

「なぁ」「おい」と声をかけてきて、「何?」と返したら「なんでもなーいwww」と返してくる。オマケに

「上月、静かにしろ!」と怒られる始末。なんで私が怒られるの?と思った。授業中は反応しないことにしよう。そう決心した。



決心した日から数日がたった。反応しなくなってからは怒られることも無くなった。良かった。と思った。

その日の昼休み、野崎から

「なんで授業中無視すんの?」

と声をかけられた。

「返したら先生に怒られる」

と返したら、突然手を掴み指をグリグリしてきた。その上頭に手を乗ってけ思いっきりセットした髪を崩した。最悪だ。その場には矢田がいた。


ついにブロックしてしまおう。そう思ったため。即ブロックした。


ブロックしてから数日、11月のシトシトと雨が降っている日だった。矢田の友人からLINEが来た。その内容は

「野崎がやらかした」

という言葉と野崎と矢田のLINEの内容をスクショしたものが送られてきた。内容は私が矢田のことを好きだと言うことをバラしているものだった。頭が真っ白になった。しかし、そのスクショを見てみると、私はアリかナシかという質問をしていたのをみた。矢田からの返事は…………



アリだった。とりあえず春菜に助けを求める。春菜からは「ありって言ってるよ!!言ってきなよ!」と言われた。その一言で勇気が出た私は矢田のLINEに

「好きです」

と送った。彼から返信が来るのはその3時間後だった。

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