第8話 壮麗なるメスキータ スペイン コルドバ

 コルドバ。グラナダ同様イスラム教文化とキリスト教文化が息づく街。その象徴ともいうべきメスキータ。後ウマイヤ朝のアブデ・ラーマン1世がバグダッドに負けない新首都にふさわしいモスクを造ろうと建設が始められた。3回に渡って拡張され、2万5000もの人が収容できるという。


 内部は、柱が林立し、それを2段アーチでつないでいる。2段のアーチ部は赤と白で優美にえがかれ、それが延々続く。あたかも2段紅白アーチの森(表現が貧相だなぁ)。


 言語の限界、というより徒労を感じさせるイスラムの装飾美。メッカの方向を向いている礼拝堂ミフラーブと、その前の祈りの場マクスラは精緻を極めた装飾だ。設計も、配色も、光の加減も。


 もとはイスラムのモスクである。そこにキリスト教の礼拝堂をゴリッとはめこんだ。教会であり、モスクであるメスキータ。


 夜はライトアップされる。メスキータの南には川があり、ローマ橋がかかっている。

 川の対岸から見たメスキータは、昼は堂々と、夜は艶美にその姿を見せていた。

 ローマ橋はむろん、ローマ時代の橋である。改修中で橋の上を歩くことはできなかったが、ローマ橋は存在を誇るようだった。


 コルドバでのホテルはユダヤ人街にとった。犬の糞は相変わらず多い。ユダヤ人街は道が複雑に入り組んでいる。それでもセビリアのそれほどではなかった。セビリアのそれは、それはもう迷路のようで、目的地にたどり着けず、本当に腹がたったものだ。

 その他、私はこの町で ローマ時代の神殿、アルカサル(要塞)などを観光し、夜はフラメンコを楽しんだ。

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