第5話 バレンシアの世界遺産
バレンシア。オレンジで有名な都市だ。マーケットで1キロのオレンジが0.6ユーロだった。激安でうまい。バルセロナではイチゴが1キロ1ユーロだった。これも安かった。しかし、1キロのイチゴは酸味が強く、また量も膨大だったので、食べきれなかった。オレンジだけではなく、パエリアでもバレンシアは有名だろうか。
さて、バレンシアである。バレンシアにはラ・ロンハという世界遺産がある。『地球の歩き方』によれば、15世紀末、イスラム王宮跡に絹の交易所として建てられた。透かし彫りで飾られた窓や高さ11メートルの螺旋状の柱がとても優美だ、とある。
たしかに優美だった。しかし、同行していた日本人が思わず口にした台詞に、激しく私は同意していた。
「えっ、これだけ?」
あっけないほどの建物。螺旋状の柱がある1フロアと庭だけ。この世界遺産の観光は5分で終わった。オススメ度1。ある意味、世界三大ガッカリポイントのマーライオンよりガッカリしていた。価値がわからないだけなのだろうが。
ラ・ロンハよりカテドラルの方が面白かった。珍しく日本語のオーディオガイドがあり、キリストが最後の晩餐で使用したという聖杯がある。
ミゲレテの塔は70メートルあり、高いところ好きには垂涎もの(そういやローマで高いところ好き(な人)に会ったなぁ)。
私はタラゴーナからバレンシアへ来た。バスターミナルで市内行きのバスに乗り、下車して、宿を探した。
バレンシアを発ち、グラナダへ向かうため、市内バスでそのバスターミナルまで行かねばならなかった。市内で降りたバス停から、バスターミナル行きのバスに乗れるだろうと思っていた。
しかし、乗れなかった。ドライバーはここからは乗れないという。バス停は向こうだ。え!? そのバス停付近まで歩いて行き、バスターミナル行きのバスを探している時間は、そのときはなかった。簡単に乗れると思って、時間に余裕を持たせていなかった。
私が困っていると、ドライバーは、連れて行ってやるよ、という素振り。私は彼と神に感謝した。5分ほどバスで走り「ここだ」とドライバー。お金は不要だった。
降ろしてもらったバス停でバスターミナル行きのバスに乗り、無事、私はグラナダ行きのバスに乗ることができたのだった。運転手さん、感謝! 感激!
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