魔術師、一文無し
そんな感じでパーティーを追放されたわけだが、この国の説明とパーティーの説明をしようと思う。
まずこの国、エアリアル王国は人口100万程度の小さな国だが、国の西端にある鉱脈、通称ダンジョンから非常に希少な鉱石であるヴァリアヴルストーンが取れる。
しかし、その鉱脈には強力なモンスターが住み着いていて、採掘するのにも一苦労。
そんな状況を解決するためにお偉いさんが作った鉱業ギルドが、俺の所属するメタルクラスターというギルドだ。
要は腕自慢達を集めて、鉱石の採集やモンスター討伐に加えて、力の無い一般市民からの依頼なんかを受けてもらい報酬を出す。そしたらWin-Winだねって感じ。
ただ、いくら腕自慢と言っても、一人じゃ厳しい状況はある。それなら腕自慢達が集まって一緒に依頼を受ければいいんじゃないか。という事で出来たのが今あるパーティーシステムの始まりらしい。
色々説明したところで、俺の元パーティーメンバーについても紹介する。
一人目は、俺の幼馴染で稀代の天才とも言われるキリヤ・アストレイ。剣術や槍術なんかの物理戦闘が主な戦闘スタイルでギルド内でも最強クラスと言われてる。加えて魔術にも造詣が深く、簡単な治癒や、先頭のための肉体強化なんかも自分で出来る。つまり基本的にこいつ一人いれば何とかなるタイプの奴だ。あと顔も性格も良い。金髪が良く似合う長身のイケメンだ。多分180cmくらい。
次に、シロナ・ホッブス。
説明した通り俺と同じ魔術師で、俺より役に立つ子だ。回復魔法に長けていて、戦闘中の応急処置から戦闘後の治癒まで完璧にこなす。攻撃魔法も使えるので援護も可能だ。自慢じゃないが、俺は彼女に治してもらう程の怪我を負ったことは一度もない。
銀髪が綺麗で背の小さな優しい子だ。152cmくらいだと思う。胸もそこそこ大きい。
三人目。さっきの会話に入って来なかった内の一人。アスカ・ケイン
前線に出て剣を振り回すタイプの女の子。強い。気が強く芯がしっかりしてるタイプなので多分俺は嫌われてる。
赤髪のポニーテールが特徴でほぼ無乳の長身美人。170cmの俺よりちょっと背が高いので172cmくらいだと思う。
四人目。ユウナ・ウィリアムズ。
魔術による援護射撃をメインとする魔術師の女の子。クールで無口な女の子だが、この子が一番お金を貸してくれるので仲間思いなんだと思う。
黒髪のショートカットで普通サイズの胸の女の子。多分身長は162cmくらい。
最後に俺。レイジ・クライン。
皆が戦ったり採集するのを後ろで煙草を吸いながら眺めるタイプの魔術師。
ダンジョン外でのギャンブルに精を出す一般的なパーティーメンバー。
身長170cm。茶髪でそれなりに顔は良い。フィジカルはパーティー最弱だったので何も出来ない。
「……俺いてもいなくても変わらんな?」
俺がいないパーティーのバランスが良すぎる。困った。
仮にしっかり魔術で援護してたとしても前衛二人に後衛三人はバランスが悪い気がする。
まあ、ネガティブな事を考えるのはこの辺にしておいて、今日明日を生きる術を考えなければいけない。
現状の手持ちはシロナの杖を質に入れて手に入れた残りの20シルバーのみ。
カジノのスロットマシンで使えば最速5分程度で無くなってしまう。
「どうしたものか」
というわけでカジノに来た。
「ここでとりあえず増やして今日の宿泊先を探そう」
とりあえず10シルバーずつスロットマシンのサンドに入れる。メダル92枚。根拠はないがワンチャンありそうな気がする。
さぁ、勝負開始だ。
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