第7話 あ、ダメだコレ(確信)


あかん……この眠さダメなやつや……。

(*セキグチは大阪の人ではない)


…………………………………………………


【ヤガミと夜通しLINEした翌朝、2組の教室で】


…………………………………………………


俺は登校するなり机に突っ伏した(既視感)


 ああーバカだバカだバカだ。俺の睡眠時間は1時間45分、しかも昨日から15分縮んでんじゃん!物語始まった当初から寝不足だって言ってるよね?

 寝ろよ、オレ。


「……セキグチ、ずっと寝不足じゃない?」


 隣の席のカナがまさに俺の思っていた事を言う。


「バカだな、寝ろよ」


 うるせーホンダ、わざわざ俺の席まで来て辛辣な事言うんじゃねえ。


「……もう……ダメ……うう……」


 人はマジもんの寝不足になると涙が出そうになるんだ……知らなかった……


「泣くなよセキグチ、今日の1時間目は割とどーでもいい授業だから、たっぷり寝ろ?な?」


「……ありがとホンダ……」


 カナも心配そうに声を掛けてくれる


「そうだね、しょうがないよセキグチ……1時間目は寝たほうがいいよ」


「ありがとカナ……」


 寝る。寝る。絶対に1時間目は寝る!お前らの思い決して無駄にはしアタマイタイ

 ごめん、この寝不足はガチでヤバい、ふざけた事言ってる余裕ない


頭痛い……眠い……頭痛い……眠い……


地獄。



「セキグチ黙っちゃったな」


 ホンダの声が遠くなっていく……


「話しかけないであげよ、頭抱えてるし……」


 ナイス、カナは気が効くな、これで寝られる……


 と、その時、薄れゆく意識の中、俺は教室の後ろの扉が開く音を聞いた。


「おはよー」

「おはよん♪髪切った?」

「おはよ」


 女子の声だ、しかもその声は俺の席のある方に近づいてくる。


「おっはよー!」


パンパン

 俺の肩をその声の主が叩く。俺は飛び起きる。

この声は!


「あれ?よく寝られなかったの?」


「……おかげさまで……」


 ヤガミ(ハルカ)だ。でなんでお前は元気なんだよ?この苦痛お前も味わアタマイタイ

 そんな事はつゆ知らず、ヤガミは続ける。


「あ、今日の放課後はよろしくねー、ソウタ!」


 俺の名前はセキグチ ソウタ


 俺の背中を最後にバチッと叩き、彼女はいつも通りヤバ美達の居る所に向かっていった。

 同時にオレの意識も急速に遠のいてゆく。


「……お前いつの間にあんな仲良くなったの?名前呼びになってんじゃん」


 これホンダの声?あ、もうダメ……


「え、名前呼び……してた……セキグチやっぱり仲良くなってたの……?」


 コレは……カナの声……?




まだ冷えている固い机の上で、俺の意識は消えた。

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