第6話 ヤガミ ハルカと主人公
『ヤガミ ハルカ』
なんだ?なんで今日も……
確かに昨日はソレなりに盛り上がったけど……
今日の連絡は何か用事があるとかかな?
一体、どんなメッセージが来ているんだ?
少し不安になりながらLINEを開く。
ヤガミ『おつかれ〜』
メッセージは凄いしょうもない内容だった……
俺『そっちこそお疲れ様。どうしたの?俺に連絡するって、なんかあったの?』
ヤガミ『え!?特に何もないけど……迷惑だった……?』
俺『いや!全然迷惑じゃないから!ただ、いきなり連絡きてビックリしちゃって』
ヤガミ『なーんだ、よかった〜、嫌われちゃったかと思ったよ』
俺『嫌うとか、そんなことないから!ほんとに!信じて!』
ヤガミ『必死だな〜笑』
冷や汗ヤバい、これだから文字コミュニケーションは……誤解招きやすいから苦手なんだ!
ヤガミ『なんで連絡したかっていうとね、ただ連絡したかったからしたの、理由はそれだけさ!』
俺『そうですか、ハイ了解です( ̄^ ̄)ゞ』
ヤガミ『そーか、りょーかいしたか笑、よろしい!』
けど、こんなしょーもない連絡してくれるのは俺のこと友達として見てくれてるってことかな……?
一回LINEでの会話が盛り上がっただけなのに友達と思ってくれるとか……いい奴だな!
(同時にコスパ◎ コスパ?)
そうか、友達と思ってくれてんのか、じゃあ謝らなきゃないと
ゴメンなヤガミ、夜に女子とLINEとかなんかエロいなーとか俺は思ってたよ、本当にゴメン。
ヤガミ『セキグチは何の係になったの?』
俺『小道具係、ヤガミさんは?』
ヤガミ『私は、アレだねアレ、おばあさん役』
あー、そうか、すっかり忘れてたけどヤガミは女子のドン、ヤバ美の側近ポジションなんだよな。
いわゆる陽キャ。普段だったら、俺なんかが絶対関わる事のない人種なんだな。
劇の役割でそんな事を思い出し、何故か自分の事を情けないと思う気持ちが湧いてくる。
俺『へー、役もらえてるんだ!』
ヤガミ『うん!おばあさん役だから最初の方しか出番ないけどねー』
俺『けど役もらえただけでも凄いよ!』
ホントはそんな事ないんだけどなー、なんせ役はクラスの陽キャがで独占してるからな
ヤガミ『そんな事ないよ!あんまし褒めんな
(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾』
かわいー!許す!(男のIQが2になる瞬間)
なんかさ文字コミュニケーションって相手の可愛さが上方修正されるからいいよね
(さっきと言ってる事が逆)
ヤガミ『セキグチ、小道具係楽しいの?』
俺『まあまあかな』
ヤガミ『作業は進んでる?』
あ、今日準備サボっちゃったしわかんねー!どうしようどうしよう……まぁ適当に誤魔化すか
俺『進んでるよ、めちゃくちゃ』(断定)
ヤガミ『それは、よかった!セキグチも明日からはちゃんと準備に参加してね。(╹◡╹)』
バレてたのか。
俺『……気づいてたの?』
ヤガミ『うん笑』
怖っ、俺もう人と会話できない……( ; ; )
例えバレてても準備には行かないけどwww
とりあえず嘘ついとけ
俺『明日は……うん、行きます……』(嘘)
ヤガミ『来ないでしょ笑』
嘘ってすぐバレるね。まあ嘘バレたところで準備に行かない事に変更はないんだけどさ
(17歳で堕ちるとこまで堕ちた人の考え)
ヤガミ『準備来てよ〜、(T ^ T)せっかく仲良くなれたのに〜、これを機にもっと仲良くなろうよ笑!』
俺『もう十分でーす笑( ◠‿◠ )』
ヤガミ『ヒドッ!私達やっと仲良くなれたのに!』
俺『やっと、て、まだこのクラス始まってから2ヶ月だよw』
ヤガミ『クラスじゃなくて!私、セキグチとは中学の頃から仲良くなりたんだよ(T ^ T)』
俺『え、中学?』
あ、勢い余って返信しちゃった!中学?え?え?もしかして……同じ中学校出身?
うわぁぁー!知らなかったぁー!!!
ていうかヤガミの返信がいきなり遅くなってる。
傷ついてないよな?
ヤガミ『え、同じ中学だって事、知らなかったの……?傷ついた……_| ̄|○』
しっかり傷ついてるみたい【_| ̄|○】じゃカモフラージュできてないね……
俺『ゴメン!ゴメンって!』
ヤガミ『ひどいよセキグチ……』
俺『いやほんとにゴメン!だって中学でも同じクラスになった事はないだろ?中学校の同級生でも同じクラスの人くらいじゃないと流石に覚えられないって!』
ヤガミ『え?』
俺『え?』
え?同じクラスになった事あったの?知らねーw
ワロタwww(ワロタ……)
流石にこれはまずいかも……、だってヤガミからの返信止まっちゃってるし
俺『いや、同じクラスってのに気づいてなかったって言うのは冗談でー』(LINEの返信としては戦後最悪)
返信………………ナシ!
俺『わかりました!行きます、明日は準備参加します、だから許して!お願い!』
返信………………アリ!
ヤガミ『言質とったよ?バッチりスクショしたから、明日来いよ?ちゃんと来いよ?』
うわぁ……文書から怒気が滲み出てる……
俺『わかったよ……』
ヤガミ『後もう一つ私の言うこと聞きなさい!』
もう一つでいいの?ソレで許してくれるならお安い御用だ!
俺『わかったよ、はいどーぞ』
ヤガミ『ワタシの事、さっきヤガミさんって呼んだでしょ?』
俺『そーだね、ヤガミさん』
ヤガミ『それ!変えること!もう仲良くなったし、そんな堅苦しい呼び方いやだよ』
あ、【さん】外していいの?これ外すタイミングわかんないんだよ。
俺『わかったよ、ヤガミ、ね?』
ヤガミ『それでもいいけど……セキグチは私の本名知ってる?』
俺『知ってるけど……ヤガミ ハルカだよね?』
【ヤガミ ハルカ 17歳】クラスの中心グループの1人、ホンダに聞いた情報だから間違ってないはず……!
これで間違ってたらヤバいよな?同じ中学で同じクラスにいた事忘れてたに加えて本名言えないとなると……
ヤガミ『へえ……本名は知ってるんだ』
あっぶねぇぇ!ホンダァありがとう!お前がいてくれて助かった!
俺『もちろんだよ』
見たか!俺はオマエの名前ちゃんと知ってるから!
(ちなみに昨日知った)
ヤガミ『フーンそう、じゃあハルカでいいよ』
俺『え?ハルカ?下の名前?』
ヤガミ『何か問題ある?』
いや、問題ありまくりだろ。童貞にそんな刺激的なムーブかますなよ……照れちゃうだろ
(〃ω〃)
下の名前呼びは陽キャの中では一般的だから、ヤガミはあんまり抵抗感じてないのかな?
俺『いや、いいの?下の名前で呼んで』
ヤガミ『私は別にいーよ。ていうかセキグチだって隣の子と話す時下の名前で呼んでんじゃん!』
いや、だってさカナはカナ呼びがなれちゃってるんだもん。しかも俺とヤガミが話し始めたの昨日だよ?
俺『それは、カナはさ、俺がもう下の名前呼びになれちゃったんだよ!』
ヤガミ『じゃあ私でも慣らしていけば?』
俺は別いいんだよ?下の名前呼びでもさ…だけどなんか恥ずかしいだろオイ!!!
俺『じゃあ、呼ばせていただきます』
ヤガミ『よろしい!』
俺『ハルカ』
ヤガミ『下の名前だけ送ってくんな\\\\』
照れんなよ
ヤガミ『ねえ、私もセキグチの事さ下の名前で呼んでいい?』
俺『いいよ、ていうかさ俺の本名知ってるの?』
ヤガミ『セキグチ ソウタでしょ?』
おお!さすがだな、ていうか関わりのない人の名前まで覚えてるヤツってすごいよな。
俺『よく知ってるね、正解だよ。俺の本名なんてホンダとカナくらいしか知らないと思ってた』
ヤガミ『そんなことないよ笑、悲観的すぎ笑』
ヤガミ『ゆろしくねー、ソウタ』
めっちゃ恥ずかしいなこれ、めっちゃ恥ずかしい、めっちゃ恥ずかしい、
追加料金請求されたりしないよな?
俺は恥ずかしさを紛らわすために急いでメッセージをタイプする。
俺『今日はもう遅いし寝よっか?』
ヤガミ『え?夜はこれからでしょ!さあ、話そうぜ!』
どうなってるんだ、陽キャの睡眠時間は、ついていけない、そもそも俺は寝不足なんだし隠キャだしで、この誘いは絶対断らないといけない。
友達からのお誘いを断るには並ならぬ精神力がいる!だがセキグチ、お前にならできるはずだ!
言うんだ『俺はもう寝るわ』と!
……………………………………………………
主人公セキグチ、今日の就寝時間は午前4時15分。
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