お寺の跡取り息子、藤原玄太は修行僧見習い。 修行中とは言え、呪いの正体を見極め除霊する能力は高い。 そんな彼の能力を見込んで、教師の姉は学校で起きた自殺事件の供養を依頼するのだが…… 歴史上の人物の想いに迫る物語です。 過去と、今を生きる人々。どちらも同じような想いを抱えていて共感できます。 切ない恋の顛末がどうなるのか、先を読みたくなるお話でした。 飄々とした玄太、お茶目で明るい姉、真面目で優しい同級生の夏菜。 登場人物もみんな魅力的。お勧めです!
読ませて頂きました!こちらは除霊を軸に、スケールのある恋模様を描いた短編。スタートから強烈な呪術の一つ『蠱毒』が出てくるので、読書にガツンとインパクトを残します。自分もこれを題材に長編小説を書いた事があるので、ニヤリとしました。この設定で短編に落とし込めた構成力には感服です。難解な霊能を題材としながらも、まとまりが良いので読み易く、等身大の青春はそこに存在していてキッチリ恋愛短編として読めるのがこの作品の魅力です。