第9話 雨の中の本音
その雨は空から降り注いで髪の毛を濡らす。
上を向けば涙が止まらないようだ。
雨音が静寂の中に響き渡る。
虚無感が雨粒の中に沢山入っているようで。
虚しい時間だけが過ぎ去っていく。
僕は何をしているんだろう。
何もしたいと思わない。
微かな「助けて」すら雨の雑踏にかき消される。
誰にも届かないそれは薄くなって消え去った。
虚無の先には何が待ってるんだろう?
孤独と空っぽの心。
手を差し伸べてくれる人はいないのはよくわかってる。
僕の叫びは無音なんだ。
だから誰にも届くはずがないのさ。
大粒の涙が雨と共に衣類を濡らしていく。
僕はいつも置いてけぼり。
どうしてこんなにも強い孤独感を感じるんだろう。
僕の心は強いはずなのに。
「助けて」
自身が綴る超短編集 宮崎 ソウ @tukimu
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