第3話

「ねぇ!蓮くん!蓮くんが悪いの!」

「…そうかよ、」



「ねぇ、萌、やばくない?この間みたいな感じだけど…」

「そう?まあまあでしょ、」












あれから数日後。

お姉ちゃんの学校へ行った。

「あ、萌!大丈夫?」

「あ、双葉くん、大丈夫だよ!」

二ノ瀬双葉にのせふたば、双葉くんは親戚だ。


「大丈夫なら良かった。茜知らない?」

「見てない。」

「そっかー、あ!」

双葉くんが何かを見つけたようなテンションで走っていった。



「ひーじりっ!」

「おぉっ!双葉くん!」

「久しぶりだな!」

「うん」

「最近どう?」

「え?あ、ぁ蓮くん?」

「うん」

「最近喧嘩しちゃって、蓮くんのことたくさん怒っちゃって… 救ってもらった人なのに…」

口の動きを見ると、そう話しているように感じた。救ってもらった人ってなんだろう。そう思った。するとお姉ちゃんが校舎から出てきた。

「あ!萌!」

「お姉ちゃん、さっき双葉くんいたよ」

「え?!まじ?」

お姉ちゃんは双葉くんに恋をしているらしい。

丁度いいところで双葉くんが振り返った。

「お!茜!」

「双葉くん!」

お姉ちゃんは嬉しそうに双葉くんの元へ走っていった。数分後、二人で話しながらこっちに戻ってきた。


プルルル、プルルル

お姉ちゃんのスマホに電話が来た。

「あ、ごめん」

お姉ちゃんは小走りでどこかへ行った。


「ねぇ、双葉くん」

「ん?」

「さっきの人の救ってもらった人って誰?」

「は?あぁ、聖のことかな?さっき話してた」

「うん。」

そう話すと聖さんのことを説明し始めた。



「俺と聖は幼なじみで、仲良くてね。高校行く前くらいのときに聖が俺に相談してきて、「実は僕、氷室さんのこと好きなんだよね」って、「同性愛者、気持ち悪いよね、…」って話始めた。だからすぐ俺は「いいじゃん。同性愛者。そんなん世の中じゃたくさんいるよ」って言った。したら泣きながら「ありがとう。」って、で、俺の学校の中のカップルで女子同士いたからそれもあって、聖、「大丈夫!」っていって、蓮に告白しにいったの。それは大成功だった。「いいよ、俺も青柳さんのこと好きだった。」って、言って、二人は付き合うことになった。でも、バレンタインの日に、蓮が忙しくて、聖からのチョコ貰えなかったの、でも、蓮はモテてたし、他の女子からは貰ってた。今思えばただめんどくさかっただけだと思う。で、聖って実は女の子になりたいって昔から言ってて、お金とか、親とかの都合で手術できてなかったけど、いずれ女の子になりたい。って。だから聖、そのときに「蓮くんは女の子が好きなんだ、僕のことなんか!」って言って自殺まで行ったの。でも、そこでうまく蓮が止めて、「俺は、女の子が好きだ。でも、聖なら男でも好きだ!」って言って無事解決?って感じになったんだよね」


長く話した双葉くんは過去のことを思い出し、しみじみしていた。

「じゃあ、あの聖さんの救ってもらった人って、蓮さんのことだったんだ。」

「まぁ、そうなるね、」

「あ、ごめん、俺帰るわ!じゃっ!」

双葉くんは勢いよくバイクで帰っていった。






「全然いいと思うけど、同性愛者。」

私はそう。呟いた。

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