僕は彼の雲孫だ
いまノチ
彼の愛した彼女に似た僕は
僕は、彼の雲孫にあたる。
長寿である龍神族の彼は、人間の女を愛した。
彼と彼女の子は、龍神族の血が混じり、人間にしては長生きで老いにくかったが、母よりも長生き、父を置いて死んだ。
その子が遺した孫を、彼は慈しみ育てたが、孫は人間を愛し、彼のもとを去っていった。
それから、彼と彼女の血脈は人間の中で生き、彼の雲孫にあたる僕は、先祖返りして龍神族の血が強く出た。
両親に置いていかれ、幼馴染みに置いていかれ、親友に置いていかれ、孤独な僕を彼が見付けてくれた。
「私のルム」
彼は、僕を彼の愛した女性の名前で呼ぶ。
僕は彼に抱き締めなられながら、その胸の中で静かに泣くのだ。
私の、
やっと、生まれ変わった。
君のいない生は、辛かったよ。
今度は、ずっと一緒に・・・
――――――
古代語で【ルム】は魂の番の意味。
誤解すれ違いぷまいね。
僕は彼の雲孫だ いまノチ @oujisyujinkou
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