第310話 魔王城の戦い

 俺は皆と落下していく物体を見守った。

 因みに遠目で見た感じは西洋風のキャッスルだ。

 暫くすると、上空から俺が収納からポイ捨てした岩とか氷の塊が落ちてきた。

 先ずは氷の塊が城に向かっている。


 そして城に当たら・・・無かった。どうも結界で魔法をシャットアウトしたらしい。

 しかし次は軽自動車ほどの岩の番だ。その後は一回り小さい岩が続く。


 最初の岩が障壁か結界に当たると激しく光り、結界が砕けたのが分かる。

 そして次々と人の大きさ程の岩が、結界の無くなった城の本体に襲い掛かる。

 そして城のあちこちに穴を開け、半壊の状態にした

 狙っていた全壊には至らなかったが、まずまずだ。恐らく弱い結界がまだあり、全壊からはなんとか守ったのだろう。


 今度は上空からファイヤーボールをお見舞いし、着弾を待つ。

 しかし、物理結界は破壊できたが、対魔法の結界が生きていて弾いた。残念だ。


 上空から色々な物を落として注意をそちらに向けている間に、俺は城の入り口付近に転移した。

 俺の転移は見えているところなら間違いなく安全に行けて、後ろだとかは方向と距離を指定するとそこに行けるのだが、もし壁の中とかへ転移すると大変な事になるので、多様はしない。


 俺に触れている物は一緒に転移できる。そこで最近ものは試しと色々と実験したのだ。オークの死体を壁にめり込む形で転移したのだが、壁もオークも爆発し、俺も壁の破片や肉片を浴びて大変な事になったので、そうならないよう気をつけている。


 そして城の入り口付近に転移したので、皆をゲートで連れてきた。そして内部への突撃を行って行く


 入り口から敢えて堂々と進んで行く。

 入り口には岩で潰された門番らしき魔物の死体があり、辺りは破壊された建物の破片やら死体、割れた岩等でグチャくちゃだった。そして侵入に気が付いた生き残った魔物と戦闘になった。


 それと俺達が突入し始めた頃に異変が起こった。

 突然城の周辺にゲートが開き、ドラゴニュートの一団が来たのだ。

 敵か味方か分からず、アリゾナを前に出させ話をさせた。200名程のドラゴニュートの戦士が突入してきたのだ。

 ずっと突入する機会を待っていたが、城へ攻撃をした者がいて、今まで叶わなかったダメージを与えた者が出た為、急遽援軍として来たそうだ。

 アリゾナ程ではないが、屈強な戦士が揃っている。

 中には女も混じっていて、女はビキニアーマーだ。そして男は短パンに心臓を守る部分的な胸当てのみで、それで重要器官をガードしていた。但し、何人かは戦士ではない者がおり、戦士ではない者は結界破りを行う者達のようだ。

 そしてその中の1人の若い女性を見てアリゾナが驚いていた。


「どうしてお前がここにいるのだ?」


「ブラッザムね!?良かった!あなたきていたのね!あの日裏切り者の所為であなた達が捕らわれてから私はあなたを探す為に戦士になったの!あなた達捕らわれた方達のお陰で、あなた方以外は全員逃れられたの!私は剣の腕は駄目だけど、結界破りは里で1番なのよ!だから今いるの」


 そんな感じで話が始まり、彼ら彼女らは俺達に加勢する者達だった。

 滅びたあの国の異変からドラゴニュート達が決起したのだそうだ。魔王討伐に動いていたこの一団は、アリゾナ達が元々いた里の者達で、難を逃れたっぽい話だった。あまり悠長に話ができないがアリゾナが説明して、俺が勇者であり、魔王城を攻撃したのも俺だと伝え、俺の配下に加わると言う。俺は後で詳しく話すと言う事で一旦受け入れた。


 そして城の内部に入っていき、魔物を倒して行く。

 そうすると謁見の間に到着した。

 ここも岩が貫通したようであちこちに瓦礫が散乱している。


 玉座に1人の黒尽くめの男がおり、アリゾナが行こうとするので制止して、俺が一人で向かっていくのであった。

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