第285話 作戦会議

 翌日は各総督と日本人を集め、状況説明を行っていた。ついでにアリゾナ、オリヴィア、レニス、レーヴェンも集めた。


 放射性物質を放つ爆弾を持っていた関係で、ここで奴等の死体を出す訳には行かない。


 奴等から回収した剣の所有者をアリゾナ、オリヴィア、レニス、レーヴェンに変更し、来たるべく奴らとの戦いに備える。そのデモンストレーションでもある。

 そしてその場でミスリルの剣をその振動ブレイカーでぶった斬り、俺のライトソードと打ち合える事を説明すると皆絶句していた。


 また、相手の文明レベルが違い過ぎる事も。俺達日本の水準を伝えているが、それよりも少なくても共100年は、恐らく1000年は進んでいる旨を伝えた。

 それと日本人なら誰でも分かる放射線についての概要を説明し、奴らの自爆用の爆発物については、奴らが携行している1つであっても少なく共この王城街の城壁内は人が住めなくなり、全て焼き尽くされると説明した。


 日本人には兵士が携行できるレベルで広島型以上というと、その威力の恐ろしさを理解できたようだ。


 大きい爆弾でその威力ならさほど驚かないが、恐らくあの腕に着けた端末に仕込まれている分での威力だ。とても恐ろしい。


 そして放射線に耐性のある俺しか対処ができない旨を伝える。しかし日本人以外が納得しない。俺は日本人を指し示した。


「彼女達の反応が俺の言う事に反論できないと知って欲しい。悪いがこれは相談ではなく状況説明と方針の説明だ。」


 そして明日からはセレナを汚染地帯の外に転移ポイントを設定する為に連れて行く以外は、俺が1人でやらざるを得なくなったと説明した。


 俺はゆっくり悠々自適な生活を送りたいのだが、何かと許されない。


 そして今一度汚染エリアから30kmほど離れた所にゲートで向かった。


 周辺は何の気配もしない。

 また、端末を取り出し光点を探すと、かなり広範囲に散らばっているのが判る。


 試しに例の大型の装置を取り出す。

 時間の問題だが奴らをこの大陸の生きている住人に接触してもらいたくない。


 死体もいくつか出した。

 そして装置に手を触れると何か音がして装置の扉が開いた。

 中を見ると何かの物資が入っており、上に登る階段がある。

 それを登るとどうやらコクピットらしき物があるようだ。俺はこれが小型の輸送船ではないかと判断した。ふと思いディスプレイを見ると、光点に変化があった。周辺の点がこちらに接近を始めているのだ。

 俺はその機体?を収納に入れてから気配を殺し、待機した。


 すると間もなく死体を見に来た者が何体か来た。それとこの輸送機もどきではなく、もっと飛行に適した機体に乗った者も現れ、やがて着陸した。そして下部のハッチが開いた。1人が外へ出ていったので、俺は中に侵入し、コクピットに辿り着いた。コクピットにいた奴の首を刎ね、収納し急ぎ外に出る。

 1体が死体を回収しようとしていたが、俺の気配に気がついたようだ。俺は機体を収納に入れた。

 丁度スペースシャトル位の大きさだ。

 恐らく開いていたゲートの大きさからこの辺りが限界だったのだろう。

 椅子からするとコックピットは乗員が2人だ。

 何やら必死に端末を操作している。コクピットにいた奴に連絡を入れているのだろう。


 それはともかく、状況は良くない。何せ見た目もそうだが、戦闘力がある飛行艇を持ち込んだのだ。下手をすると大気圏外に飛び出す能力があるかもだ。


 そうして奴らのうち砲塔を装備した奴が闇雲に砲撃を開始した。俺はそんな中の一人の後ろにそっと転移し、その首を刎ねた。それは隠密を解除する事を意味する。

 そうして乱戦になっていくのであった。

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