第284話 確認
俺はまず先程戦った場所から5kmほど離れた場所に行った。大きなきのこ雲が消え掛っている位で特に何もない。
今度は500m迄来ている。
酷かった。
「危険レベルの残留放射線を検知しました。種族特性能力において中和しています」
システムメッセージが聞こえてきた。
どうやら小型の原爆級の爆弾か、放射能を撒き散らす何かを装備しているようだ。
次に爆心地だ。
生き物の姿がない。木々も、草すらない。おまけにクレーターになっている。
奴らから奪った今は俺の物になった端末を出す。
何か点が点滅していてそこを選ぶと顔が表示され、薄くXされている。ダブルクリックしてみると端末から赤い光が出ている。どうやらそこに死体があるようだ。まずあの爆発だから生きてはいまい。端末に出ていたXは死亡者にペケを表示しているのだろうと判断した。
するとやはり損傷の激しい死体があった。一応収納に入れると端末の表示が変わった。点滅し元の箇所に光が点滅している状況だ。一箇所一箇所確認し、死体を収納していっている。まだ仲間がいれば異常に気が付きここに来るかもと思うが来ないが、まさかあれで一掃した訳じゃああるまい。
またもや刀剣が出てきたので、俺は収納に入れた。ユーザー認証のアナウンスが聞こえていたので急いで入れたが、さて誰に渡すか。やはりアリゾナか!?と思案していた。
一旦この場から少し場所を離れ、裕美に念話を送って原爆か水爆か分からないが、爆心地付近は放射能で汚染されたと伝えた。そして俺は種族特性で影響を受けないと。それと更なる調査をすると伝えた。
爆心地から10km程離れた場所まで飛んでから端末を出す。すると点が数個現れ、今度はXが無い。生きている奴がいるのだろう。
端末が指し示す光に向かう。
そうすると何かの装置を置いているエリアに出た。端末を収納し捜索開始だ。
ゆっくりその装置?に近付く。高さ4m、幅6m、長さ10m位の何かだ。その中には生き物の気配はない。
周りからは奴らの気配が感じられた。途中で周りから一斉にアラーム音が鳴動したのが分かる。おそらく俺が警戒エリアに侵入した事に対するアラームが発動したのだろう。
俺は一気に転移で装置の所に行き、収納してやった。
直後に何かに叩かれ俺は吹き飛んだのだが、どうやら奴等の尻尾にやられた。
リザードマンチックな大きな尻尾を持ち、蜘蛛の様な醜い顔に、ドレッドヘアー、高い戦闘力と武器、高度な科学力。この世界の者では対処出来ないだろう。
そしてそいつに対峙する。俺はライトソードとアンタレスの二刀流に。
そいつも例の振動ブレイカーを出した。奴のは緑に光る。
身構えるので一礼をして切り結ぶ。そこそこ強い。マクギー以上アリゾナ以下だ。
ひたすら打ち合う。
異様なのは今6匹に囲まれているが手出しをしてこない事だ。どうも一騎打ちを見物し、1対複数を是としない、そんな戦闘狂に感じた。暫くすると俺の剣について来れなくなり、奴の首元に剣を突き立てると観念し項垂れ手で首を刎ねるよう促してきた。敗者には死しか無いようだ。俺は一礼をして首を刎ねた。
次の奴が向かってくる。そいつは肩に砲塔を装着してそれ以外は腰に何かを持っているが基本的に無手だ。俺は死体を収納し、振動ブレイカーを対峙する者に投げ渡した。そいつがユーザー認証するのを眺めていた。無手の奴に切り結ぶのは武士道に反するとの思いではなく、端末を操作する所を見たかったのだ。
奴が構えて刀剣が光り出した。俺は手を差し出し、掌を上に向けていて、クイクイとこっちに来いとジェスチャーする。
それを合図に突っ込んで来つつ、驚いた事にまさかの熱線を放ってきた。俺はヘルムで受けてヘルムの自動反撃でそいつに返した。砲塔に当たり砲塔が吹き飛んでいった。
胸を剣で貫き決着したが、端末を操作しようとしたので端末の付いている腕を切り落とし首を切断した。
次の奴は刀剣を持っていた。俺は一度手で動きを静止、先程倒した奴の剣を取り、ユーザー認証を行い同じ武器で対峙する。一礼し身構える。俺の準備が整ったと見て突っ込んでくる。
数合切り結び、腕を切り落として決着した。蹴り飛ばし見ている奴にクイクイと来るように挑発すると、熱線が跳んできた。倒れている奴に当たり絶命したのが分かる。腕を収納し対峙する。
そして最後の奴と戦っていたが、腕を切り落とした。傷口に手を触れ隷属契約を行う。
そして腕を欠損修復した。
俺はヘルメットを取るように促すとそいつは外した。
「俺の言っている事が分かるか!?」
返事がなかった。分からないようだ。
結局そいつとは意思疎通を図れず俺に殴り掛かり絶命した。
辺りを調べるが特に何もなく、今日はこれまでとしてクリーンを掛け、放射能を除去した後に帰投したのであった。
生活魔法恐るべし。
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