第223話 休息

 目覚めると隣にレニスがいた。

 寝起きと共に俺はまたもや矯声を上げていた。


 だって気持ちいいんだもん!

  思わずああん!とかうっ!とか色々怪しげな嬌声を発しているけど、そこにエロスはないから!もう時期だけど、まだだから。



 レニスは全身全霊を込めて俺に全身をマッサージしてくれているんだけどね、物凄く疲れが取れるんだよ。


 暫く涎を滴しながらくたーとなっていると、朝食が出来たと伝えられたので、レニスと食べに行く。


 レニスの服はヒラヒラした柔らかめの生地のスカートだが、やたらと短い。

 ついついそのすらっとした御脚を見つめる。見えそうで見えない!やはり男心を掴むのが上手い!でも見ちゃった。必殺技を使いました。秘技スカート捲り。


 残念ながら見せパンでした… 

 レニスはどや顔で勝った!と何故かガッツポーズをしていたな。

 そしてうりゃうりゃあ!といった感じでスカートを捲り、見せパンを見せ付けてくる。水着と一緒でそこにエロさがないのが残念だ。


 今日は部屋にて1日寝て過ごす事になった。先ずは疲労を抜くのに大人しくするようにとしつこい位に言われ、今日は致すのも駄目と言われてしょんぼりする。そりゃぁないよ!ううう!不貞寝してやる!


 しかし、レニスの態度が急に変わった。畏まったレニスから明日刻印を刻んで欲しいと言われた。


 クロエと同じ理由で、少しでも若い体で生きたいと、心身共に妻にして欲しいとうるうるしながら訴えてきた。思わずギュッと抱きしめ、頭を撫でていた。あれ程の強さなのだが、こうやって抱きしめると一人のか弱き女性なのだな!と愛おしくなる。あの門での戦い、血塗られて必死に戦っている姿に心を奪われた。


 そう言えばアレイ殿に言われていたっけ?20歳を超えていてお互い好きなら刻印を早々に刻みなさいと。


 レニスは俺が先日のスタンピードで命を救ったものだから、既に心も体も俺の物という。あの時、体力が限界に近付いていて、死ぬのは最早時間の問題だと感じていたのだ。そんな中颯爽と現れた俺が白馬に乗った王子様に見えたのだと言う。意外とロマンチストだなとほっこりする。発する言葉とは裏腹に触れる前に既にキュンとなったと言っていた。


 どういう理屈か今一納得してはいないのだが、俺もレニスもお互いの事を好きになった、いや、愛しているし、何よりも尊敬しあっている。


 とは言っても暇なので久し振りに手帳を見直す事にした。どうやら俺には子供がいるらしい。しかも向こうの世界には妻が居たらしい。まあ、そりゃあ子供がいれば妻もいるわな。でもよく分からないが、段々と向こうの記憶を無くしていて、更に向こうの事の常識も希薄になって来ているようだ。ただ、不思議となんとも思わない事が恐ろしい。そのように手帳には書いてあるのだが、書いた記憶がない。ただ、間違いなく俺が書いているのだと、それだけは分かっている


 ふと思い出したかのようにセチアに頼んで毛先を揃えて貰うが、相変わらずバッサリ行くのは却下される。もしも自分で切ろうものなら、離縁状を突き付けられそうな勢いで反対されていた。


 何かをしていないと落ち着かないのだが、レニスとナンシーの監視が厳しく、トイレにもついてくる始末だ。余程信用ならないらしい。まあ、それほど体にガタが来ているのだろう。


 暇なのでまたまたたまたまたレニスとイチャイチャじゃなくて、あそこを揉んで貰う。あう!気持ち良い!逝きそうだ!

 ちょっとそこのあなた?今変な事を想像したっしょ!?

 ちっちっち!腰と背中の真面目なマッサージだよ?彼女は真面目だ。格好とは裏腹にうぶでピュアだ。ドサクサにまみれ股間をって事は残念ながらない。


 1時間位揉んでもらっていて至極の時間だったが、揉み返しで急激に眠くなり、昼寝をしたのであった。昼寝の筈だった。

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