第155話 屋敷
昼食を皆で頂いた後は 暫くの間まったりとしていた。そうしていると、俺に来客が来た。それは待っていた不動産屋だったので、既に帰って来ていたオリヴィアを連れて屋敷に向かった。
来たのは20台後半のスーツを着た女性で、不動産屋の副店長だった。
貴族の屋敷が集まる所謂貴族街に来ている。と言うよりも、アレイ殿の屋敷が貴族街の中心部にあるから目的の屋敷まで近いので歩いて向かう事になった。
そんな中、一際目を引く大きな屋敷が視界に入ってきた。だがその屋敷は異様だった。色が異彩過ぎるのだ。屋根も壁も赤なのが見えてきた。
「センス悪いなあ」
俺が呟いていると、そこの屋敷の門に向かい出した。俺は嘘だろう?やめてくれ!と心の中で悲鳴を上げるが、無常にも不動産屋がここだと告げる。
「こちらでございます」
紅屋敷に案内されたが、外観は何もかも赤だ。建物は立派な3階建てで、建物も敷地もバルバロッサの屋敷の倍はある筈だ。扇状の建物で、正門から石畳の道が玄関に続いている。別邸か使用人用か2階建ての家が3軒敷地内にあった。
馬車小屋と厩舎と思う建物もあり、外壁の赤さ以外は問題なさそうだ。
庭は手入れも行き届いていてザッツ庭園だ。
問題は中だが、一ヶ所を除いてよい感じだった。
玄関を開けるとメイドさんが3人おり、その一人から書状を渡され、その場で開けた。
この3名は屋敷の附属として差し上げるので、好きになさってください。全員若い生娘ですので病気の心配もなく、所作も十分教育しております。勇者殿の好みに合うかは分かりませんがよしなに。
追伸 好みが分かりませんので大中小と取り揃えました。速やかな刻印をお願い致します。
えっ?と思う事が書いてあり、誰が書いたか記載が無いがまあ国王だろうな。
メイド服を来着ているが多分違うのだろう。上品過ぎるし三角巾をしていて髪型が分からないが、王族か貴族の娘だろうが、なんとなく見覚えがあったが直ぐに思い出せない。
オリヴィアに見せると顔がひきつっていて、わなわなと震えながら書状を返してくれたが、メイド達を見ると顔色が変わり大人しくなった。
「あの狸親父」
オリヴィアの呟きが聞こえた。
「これはどうすれば良いのかな?」
「はい、確認しますが貰ってあげてください。恐らく当人の希望で自ら名乗り出た筈です。彼女達が何者かは直接ご確認願います」
オリヴィアが逃げたので、取り敢えず一緒に部屋を回って貰った。
一階には広い玄関ロビーに、緩やかなカーブを描く階段が続いていて、いかにも貴族の屋敷な感じだ。
内装も落ち着いていて上品だ。
一階には大浴場と小浴場、使用人用の浴場と充実していて、食堂とその隣に厨房があり、大きさも問題ない。倉庫や貯蔵庫もある。メイドと執事の控え室もあり充実している。
2階に大きな多目的室があり、会議やちょっとしたパーティーが開催できそうな空間がある。この多目的室の両隣は使用人室になっていて、そこから右側が来客用の居室10部屋と左側に居室が10部屋立ち並ぶ。部屋の作りは同じだが内装と家具からそう判断した。
そして3階は居室30部屋、応接室2つ、皆が過ごす大きな居間、主人用【執務室、居間、何故か寝室2つ】とかなりの部屋数だ。
つまりゲストは2階に宿泊する事になり、妻達用や仲間用の各自の部屋が40も有る。
トイレは各階に2ヶ所と、洗面がある。主人の居室には小さな風呂とトイレすらあり、キッチンもあり驚いた。このキッチンは個人宅にある位のだが、趣味で料理をする為のようだ。風呂も小さいと言っても日本のユニットバスで言うと1818位だと思う。確か我が家のは1616だ。ふと日本の記憶が少し有ったのでメモをしていた。
問題なのは地下室。
拷問部屋と牢屋があるのだ。
この屋敷の貴族が 取り潰しとなった理由でもある。
不動産屋に聞くとこの為に事故物件となり、皆嫌がる為に王が中々売りに出せないとしていたが、今回俺なら気にしないだろうと、格安で放出する気になったらしい。
ここで奴隷を虐待をしていて、100人以上が殺されたようだ。掃除したが血でかなり凄惨だったらしく、このような事があった物件の為に格安になる。
因みに寝具を含め家具等そのままにされていて寝具とか気にしなければだが食料が有れば今直ぐに住める。
一通り見たので不動産屋に金額を確認すると、2億G丁度と言う。
事故物件と外壁の色の為格安だった。
俺は即決したが外壁の塗装を料金別でやれないかと聞くと5000万G弱掛かるが施工出来ると言う。その間は通用口からの出入りになり、3週間位掛かる。
既に想定しており、見積もりや工程も確認していたようだ。
そして問題のメイドに確認するのにゲス行動を考えた。
執務室にメイドとオリヴィアを入れて、不動産屋には応接で待機して貰った。
まずは最初に書状を渡してきた娘に書状を見せた。
「これって誰からの書状かな?書いていないんだよね。予想は付くけど、まあ国王様だろうけどね」
「はい国王様御自ら私にお預けなさいました」
書状を見せてから聞いた。
「これには君達を差し上げるとあるのですが、よく意味が分からないのですが、どういう意味でしょうか?」
「はい文字通りランスロット様の女として、ハーレム入りを希望しますが、メイドでも、性奴隷でもお好きに扱って頂いて結構です。それと3人共に自らの意思で希望して来ておりますので、国に引き留める為の生贄等ではありません」
既に嘘ではなく、生娘である事は確認しているが、俺は覚悟を見たかった。
「じゃあ今からここで君達に清めの儀式を執り行うから、裸になって」
俺は鬼畜としか思えない指示を出すのであった。
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