第40話 初代英雄の聖剣

「その聖剣は初代英雄が使っていたもので《不死の聖剣》といいます」

「不死ですか?」

「はいその聖剣が装備状態にあると所有者はどんな状態にあったとしても

死ぬことはありません」


「だとしたらなぜ初代英雄は敗れたのですか?」

「レトリアルに剣を弾き飛ばされた瞬間に刺されたのです」

「帯剣していたり持っていたりしないときは効果がないということですか」

「そういうことですね」


「ほかの英雄が使っていた聖剣ってどんなものなんですか?」

「他ですと2代目の英雄が使っていた聖剣は“付与の聖剣”です」

「付与?」

「バフでもデバフでもなんでも付与できます

この聖剣の効果は普通の魔法などより強力になっています

ですので仲間がたくさんいればより強力になったのですが

2代目はコミュ障でした」

「なんというか相性が悪かったんですね」

「はい」


「3代目の聖剣はどんなのなんですか?」

「3代目は前言った通り封印特化だったので剣もそのまま“封印の聖剣”でした

ただこの剣の封印じゃなくスキルの〔封印〕の方で封印してました」

「結局活躍はなしということですね」

「はい」


「そうだ、あなたの聖剣はどうします?

いつもはこういう作戦で行ってほしいという願いを込め聖剣を作るのですが

あなたとはこうやって話せるのですし希望とか聞いておこうかなと」

「う~ん  あっ、最近いろんな武器を使ってまして」

「そうですね」

「それを一つでできたらいいなって思うんですけど」

「なるほどいろんな武器になる聖剣がいいということですね」

「はい」


「では、所有者の望む形に変化する聖剣

“変幻の聖剣”としましょう

見た目の希望とかあります?

といっても形は自由自在に変わるんですけど」

「全体的に金色で3つの宝石のような装飾を付けてほしいです」

「なぜ3つなんですか」

「なんとなくそれくらいがちょうどいいかなと」


「ふふっ、わかりました

少し時間がかかるのででき次第、教会に送り

あなたのもとに届けるよう神託を授けておきます」

「わかりました」


「あっそうだ 不死の聖剣にたどり着いたあなたにご褒美をあげましょう

聖剣のあった場所の付近に配置しておくので探してみてください」

ご褒美?なんだろう

聖剣自体がご褒美みたいなもんじゃないのか?


「では、地上に戻しますね」


来たときと同じく強く光り目を瞑った

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