第32話 過去の話
「さっき使ってた武器は刀ってやつだよね」
ルネ師匠を呼びに行く途中ミルダさんが話しかけてきた
「えっミルダさん知ってるんですか?
っていうかこの世界にあるんですか?」
「うん知り合いに使ってる狐獣人の子がいるよ
君のいた世界にもあるのかい?」
「はい ありました
ですが、僕の生きていた時代ではもうほとんど使われることはありませんでした
使うとしても草の束を切るだけです
武器としては使われなかった
というか使ってはいけなかったんです
持っているだけでも登録証とかいろいろ面倒な手続きとかが必要でした」
「そっか 平和な世界だったんだね」
気遣ってくれたのか優しい声色だ
「はい まぁ僕の暮らしていた地域の話で
まだ争っているところもありましたが」
「あっあの 元の世界とこの世界どっちが好きですか?」
「う~ん こっちかな
前の世界にはいい思い出より嫌な記憶のほうが多いし
だからここにいるし」
「どういうことですか?」
「あ~昔のこと話そうか」
前世での出来事と僕が転生したきっかけをすべて話した
「そんなことがあったんですね
ごめんなさい思い出させちゃって」
ちょっとしゅんとしてるのもかわいいな
耳が少し下がっている
「まぁ昔のことだし気にしてないんだけど…
あっ最後のゲームのことだけはまだムカつくな」
実際過ぎてしまえばそんなに気にならなかったし
最後の方はほとんど気にならないくらいに慣れてたし
あれは修行だったと思っている
本当に悔いはゲームだけだ
あの世界のいいとこもゲームだけだ
あっマンガやアニメもあるか
なろう系は現在進行形で体験しているようなものだが
そんな感じで話していたらルネ師匠を発見した
最近僕は自主練ばかりになっていてルネ師匠は館内や庭を散歩している
たまに見に来るけど
今日はエミラの時間も変更になったから
ほぼ一日ボーっとして歩いてたんだろうな
「ルネ師匠 ちょっと聞きたいことがあるんですが」
「ん?どした?」
「この双剣なんですけど
炎と水を纏わせることができるらしいのですが
やり方わかりますか?」
「お~魔法剣か~
ひさしぶりにみるな~
えっとね、魔法剣は魔力をためといてそれを消費することで
その力を使うことができるはずだよ~
ちょっと貸して~」
エミラはルネ師匠に双剣を渡した
ルネ師匠はその双剣についた宝石のようなものに触れた
「うんやっぱり全く魔力は入ってないね
ちょっと待ってね」
触っている宝石のようなものが光りだした
どうやら魔力を注いでいるらしい
「よしこれで満タンかな
あとはイメージするだけで出せるはずだよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます