第55話
その後いちびって、お姉さんとタマちゃんのところを2往復した。
わ〜い!! いつでも二人に会えるよ〜
別に声に出さなくても、行きたいと思うだけで行けるのも分かったし、便利すぎる!
てんくんと仲良くなれたのは嬉しかったけど、皆んなに会えなくなってつらかった。
でもこれからは寂しくなんかない!
タマちゃんとこれからずっと、3時にティータイムしようと約束した。
お姉さんのところには朝ごはんを作りに行くつもりだ。
「ねっ、さやちゃん。いろいろ検証してみない?」
何を??
「悠くんのところやさやちゃんのママのところにも行けるか、とか」
えっ、ママ? 行きたい!
、、、何の変化もなかった、、
「ママのところはだめみたい…」
「じ、じゃあ悠くんのとこ!」
、、、無理だった。
「私とタマちゃん限定ってこと? 何が違うのかな〜」
お姉さんは首をひねっている。
「じゃあ今度はここから出れるかどうか!」
二人でマンションの敷地から出てみることにした。
、、出れた! う、うれしい〜
「ちょうどコンビニに行こうと思ってたから行ってみない?」
「行きたい! …姿を消してついていくね!」
お姉さんと少し離れたコンビニまで歩く。
これまで外に自由に行けなかったから、珍しくてキョロキョロする。
ぴょんぴょん飛び跳ねながら歩いていたら散歩中の子犬にぶつかった。
「あっ、ごめんね」
小さいプードルは、見えなくても何か感じたようでくうんと鳴いた。
か、可愛い…
お姉さんとはもう10メートルほど離れてしまったけど、子犬から目が離せない。
その時だった、ぐんっと引っ張られる感じがした。
あっという間に、あたしはお姉さんのそばにいた、、え〜??
「お姉さん、お姉さん! あたし、お姉さんからあんまり離れられない」
「え? どうなるの?」
「ぐんって引っ張られて戻って来た。10メートルくらい離れた時かな〜」
「…そうなんだ…まあ、迷子にはならないわね」
お姉さんはそう言ってクスッと笑った。
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