第47話

その後、お互い何故ここにいるのか話をすると、驚くべきことが分かった。


お姉さんがあの時お見舞いに行ってた子はてんくんだった。

さっきいた女の人は、お姉さんの親友の莉奈さんだった。

お姉さんは大阪出張のついでに、てんくんのお見舞いに来たんだって。


てんくんの話しも少しして、『ギフテッド』のことも教えてもらった。

子供の頃から知能がとびきり優れ、特別な才能を持っていたりする。

海外ならまだ小さな内に飛級で大学に行ったりするんだって。

でも同年代の子とは話題も興味も違い、いろんな問題もあるらしい。


「ずいぶん難しいことを知ってる子だなと思った」

「そうでしょ? でもあの情熱には引き込まれちゃうわ」

「うん、あたしも知らないことをいっぱい教えてもらった」

「でも、病院なんて、、さやちゃん、窮屈だったんじゃない?」

「ちょっとね、あたしが見えない人が多くて…」

「う〜ん、心に余裕がなくて接触も無いと見えないんじゃないかな」

「そうなの?」

「私の経験からだけどね」


久しぶりにお姉さんといっぱい話しができた。

悲しかったあたしの胸はすっかり軽くなった。

お姉さんはあたしを連れて帰れないのを残念がったけど。


「そろそろてんくんの病室に行こう。莉奈も待ってるわ」

「うん!」

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