第44話
今日はてんくんは何かの検査があって、病室にはいない。
所在なく『珪藻』の本を眺めていたら、看護師の
前に給湯室で話しをしてた人だ。
小柄で明るく、きびきび動いて、しかも皆んなを和ませる素敵な人だ。
前にちょっと笑えることがあって仲良くなったの。
碧子さんはあたしが消えるのを目撃しちゃったらしい。
ある日、てんくんと一緒に本を見ている時、突然現れ、あたしを押しやった。
そしててんくんを守るように立ちはだかり言い放った。
「あんた何なの? 幽霊? 死神?」
し、死神って、姉さん、、、
あまりのことにオタオタするあたしを見て、てんくんの笑うこと!
「え?」毒気を抜かれたような顔をする碧子さん。
それからあたしが座敷童子だと分かるのにずいぶん時間がかかった。
てんくんに何かあったらという気持ちが働いたからだろう。
「私ったらバカみたい…」
「ううん、気にしてくれてありがとう、碧子さん」
おおっ、てんくんが大人だ!
「あたし、てんくんとお友だちになりたかっただけなの」
そのあと、てんくんからいろいろ話しを聞いたらなんか急に態度が変わった。
あたしが一度死んでることに何か思うところがあったんだろう。
「パパとママ、見つかると良いね」
そう言って、お姉さんと同じようにあたしをぎゅっとしてくれた。
そういう顛末で、碧子さんには仲良くしてもらってる。
碧子さんはてんくんのいない間に、ベッドの凹みやヨレを整えている。
「碧子さん、今日はてんくん、何の検査?」
「うん、治療の方針を決めるのに外部の
ああ〜そういうことか。 良い話になると良いな〜
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